Zoom Q3に後継機種が!

Zoomがハンディオーディオレコーダー(ビデオ録画機能付き)であるZoom Q3の後継機種「Q3 HD」を出すとのこと。

友人であるレコーディングエンジニアのすとーさん(Zoom H4nユーザー)から、光ケ丘の喫茶店でこの話を聞いて腰を抜かした。

自分:アレ(Q3)が売れてるなんて話は聞いたことがないですよ?!

すとーさん:いや、YouTubeにアップロードできるお手軽ビデオレコーダーの市場は(日本以外で)存在しているらしい。その中でも、高音質レコーダーなんて方向性を打ち出しているのはZoom Q3だけなので、明らかにニーズはある。

自分:でも……そんなに見かけたこと、ないですよ??

すとーさん:どうせ、生産は他のメーカー(サムソン?)に依託してるんだし、(過剰に在庫を抱えなければ)問題ないんじゃない? ライブハウスの演奏生録で音がひずまないのはZoomぐらいよ。


……新機種「Q3 HD」の仕様をその場で確認して驚いた。

これまで、最大の弱点であった録画解像度がVGAから1080p(たぶん1920x1080)になり、Q3ではビデオ録画時には96KHz 24bitのリニアPCMレコーディングでの録音ができなかったのが、Q3 HDではできるようになったという。

ちょっと待て。それは、ECの関税区分では「ビデオレコーダー」として分類されるものになってしまうのではないか? もしかして連続ビデオ録画時間が、他の多くのデジカメのように1回あたり29分に制限されているのではないか?(DVD解像度以上で連続録画時間が30分を超えるとビデオカメラ扱い)


その他、Zoom Q3のデザインは「残念な感じ」が充満していたが、かなりリファインされていた。旧機種であるZoom Q3のユーザーからすると、ちょっと魅力的に見える。これまで「直したほうがいい」と思っていた部分が、ことごとく直っている(SDカードスロットのカバーがゴムらしき材質のものに変更されているとか)のはすごい。HDMI端子もついて、テレビにデジタルで接続できるということにもどよめいてしまった(きょうび、ふつーにできると思いたい)。一応、ユーザーの意見を聞いているように見える。

しかし、手ブレ補正機能もないカメラがいまさらいいのか? バッテリー寿命はどうなのか? Q3と同じで2時間録画するとバッテリーが上がってしまうのか? そこらへんが見えなさすぎ、分からなさすぎである(年末発売開始らしいが……)。

また、Q3 HDでは「ビデオ←→音声」の切り替えスイッチがない。画面上でメニュー呼び出しで切り替えをするのか、そもそもビデオ録画を行わないという選択肢がないのか、そのへんは実機を見ていないのでなんともいえない。

これまで標準添付だったウィンドスクリーンやビデオ出力ケーブルなどがオプション品扱いになっていることから、(見た目の)本体価格を下げたいんだろうなーという意図は分かるが、解像度をアップさせて「ビデオカメラ」としての一歩を踏み出してしまった以上、ECの関税アップは避けられないだろうし、そのへんが本体価格にどのぐらい影響を及ぼしてくるのかは不明だ。

また、ソニーなど他社からもお手軽YouTubeアップロード用カメラBloggieの新機種が登場するとのことで、ライバル(?)メーカーの動向も気になるところだ。

もし、ビデオカメラとしてZoom Q3 HDを検討しているのであれば、他社製品や一般のビデオカメラの新古品などを含めて検討すべいであるし、長い目で見れば一般的なビデオカメラのほうが役立つこと請け合いだ。

デジタルガジェット好きの心をくすぐるような仕様にはなっているとは思うが、だいたい4倍デジタルズーム搭載とかいっても、肝心のズームをメニューから呼び出さないと実行できないとかいったら、それはスペックを無理やり増やしているだけで実用性は皆無だ。見た目がよくなってスペックが向上してはいるが、実際に使ってどうなのか? という話を聞くまで手放しで褒められないようにも感じる。

結局のとことは、よくも悪くも価格次第といったところだろうか。

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