出所の確かではない不確かな噂ではあるが、MacWorld Expo SFでは「誰もが買いたくなるようなもの」が登場するという話がある。誠にもっておおげさな話だが、後になって「ああ、そのぐらいだったら予想できたのに!」と悔しくなるもの癪なので、考えておくことにする。
これが何であるか、判断材料が手元にまったくないので予測を行うことは不可能だ。そこで、状況から何が出るかの可能性について検証しておくこととする。
最近の動向を考えると、「突飛なもの」は出てこないはずだ。そして、すでにわれわれは「それ」の原石を目にしているはずなのだ。たとえば、デバイス系の進化を利用して、半歩だけ時代の先を行くような製品だったり、ソフトウェアの供給先を増やしてみるようなものになるはずだ。
■ハードウェア
低価格ハードウェアと、中程度の廉価なハードウェアという2つの可能性がある。
低価格ハードウェアとして挙げられるのは、iPodの後継および類似ではあるが別ジャンルの製品だ。
iPodの機能を「ちょっとだけ」拡張し、フォームファクター(外形寸法)のしばりを緩めると何ができるだろうか?
ここから、1つの可能性にたどり着くことができる。それは、「電子ブックプレーヤー」だ。
このジャンルは誰も成功をおさめておらず、まだ市場も立ち上がっていない。既存の製品は使い勝手もよろしくなく、価格もまだまだ高い。おまけにメモリカードの使用が前提であり、大量にデータを保持しておけるようなものでもない。
iPodの画面を(価格を抑えて)もっと大きくできれば、PDFをHDD内に大量に詰め込んだ電子ブックプレイヤーに化けさせることが可能だろう。そして、iTunes経由でのオンライン販売をすぐに行うことができる。7インチ程度の液晶であれば、カーナビ向けに大量に生産されているし、(消費電力を考えなければ)なかなかよさそうだ。
これは、紙媒体の本や雑誌ではなく、電子ブックの市場を新たに作ってしまおうというプランだ。しかも、ハードウェアもソフトウェアも既存のものを「ちょっとだけ」拡張するだけで済む。
中程度の価格(10万円代)で考えられるのは、薄型軽量のノートブック、あるいはIntelが去年発表したUltra Mobile製品といったところか。光学ドライブをどうにか搭載できれば、可能性はないこともない。ただし、その可能性は前者よりも低いものと見ている。
■ソフトウェア
3つの可能性がある。1つは、Windowsからの乗り換えを促進するためにiLife/iWorkアプリケーションのWindows版を投入するというプランである。ただ、どうやって乗り換えを促進するのかという話には少々疑問符がつく(1つ前のバージョンを提供するとか?)。
もう1つは、通常のPC/AT用Mac OS X(ただし10.4)だ。Mac向けには10.5を、通常のPC/AT用には1つ前のバージョンの10.4を提供するのだ。
あとは、64ビットのメモリ空間を生かした新ジャンルのソフトウェアといったところか。データウェアハウス系のアプリケーションを使いやすくして、さまざまな情報を入れて即座に引き出したり分析できるようにしてみてもいいかもしれない。ただ、一般向けには難解すぎるジャンルなのでこの可能性はさほど高くはない。