スパムフィルタのたぐいは、これまでのところ使ってこなかった。海外と英文でメールのやりとりをするので、ヘタにフィルタされたらたまらん! と思っていたからだ。
とりあえず、韓国語と中国語のメールについては一切読めないしやりとりもしないので、メールの文字エンコード情報から速攻でゴミ箱行きにしていた。
英語のメールは目視で確認してゴミ箱に捨てていたのだが…………ついに我慢の限界に達した。自分はかなり我慢強い方だとは思うものの、それでも限界である。
メーラーはEntourage v.Xを使っている。Classic Mac OSの頃はEudoraを使っていたが、どうも機能に満足できず、また、あまりにも利用期間が長かったのでマンネリを感じたのでEntourageに乗り換えた(これはこれで不満もあるが)。
スパムフィルタのたぐいは雑誌の特集記事などでさんざん紹介されているが、これまですべて無視してきた。説明の文章も的を得ていないものが多かったし、直接比較しないように紹介するのでさっぱりわけが分らなくなるのだった。悪平等は不平等、といったところだろうか。
SpamSieveというソフトを見つけたので、早速使ってみた。どういう経緯で見つけたかは忘れたのだが、何かほかのソフトを追っている最中に見つけたのだ(思い出した。DropDMGというディスイメージ作成ソフトについて調べていた時のことだ)。
http://www.c-command.com/spamsieve/index.shtml
インストールすると、Entourage対応のAppleScriptもインストールされる。基本的に、Entourageの「ルール」設定でこのSpamSieveにメールを渡すように新規ルールを作成するだけである。
あとは、SpamSieveに明示的にスパムメールを学習させる。なんとなくコッソリ学習されるよりも、命令して行わせるほうが自分の性に合っている。サディストの血が騒ぐのである。
学習動作は簡単だ。メールボックスの中に入っている「こいつは明らかにスパムである」というメールを選んでおいて、Entourageのスクリプトメニューから「SpamSieve---Add Spam」を選ぶ。すると、メールの文面を単語レベルに分解して、SpamSieveのDBに入れるのだ。
あとは、メールを受信するたびにSpamSieveが自動的に単語リストDBと付け合わせを行い、(ある程度)合致すれば「Spam」ボックスにメールを移動させるようだ。
動作原理が明快で理解しやすく、ローカル側で完結しているのが気に入った。
ただ、最初のうちは必要なメールもSpam扱いされて困った。「このメールはSpamではない」という旨、やはり同様に選択して実行すれば学習する。
22ドルのシェアウェアだが、これは……なくなったらヤバいかも、と思わせるだけのものがある。英文スパムを除去する場合が多いので、これはこれでずいぶんと助かる。
なるほど。こういうところに市場があるんだなー、とよく理解できた。ユーザーに「このソフトがなくなったら困る」と、危機感を抱かせることが大事なんだな〜、とよく分った。そういえば、FireWallソフトのメーカーがユーザーの不安感をあおるようなレポートを出していた。あれはセオリーに忠実な行動だったのだ、と言えるだろう。