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E233系の「次」に中央線に導入される車両とは?

12月25日から、ついにJR中央線で新型車両E233系の営業運転が始まる。国鉄時代に開発された旧式車両である201系も、中央線配備分については2年以内にE233系に置き換わる。

思えば、ニホンを代表する重要路線である中央線には、これまでにも画期的な車両が投入されてきた。

高性能車両として開発された101系は、「全車両モーター車」化という新幹線と同様の方向性で開発されたものの、実際に走らせてみたら変電所の容量がパンクすることが判明。当初の計画を余儀なくされ、モーター車の比率を下げざるを得なかった。

後継の103系については、101系の置き換えがあまりすすまなかったこともあり、冷房車化や新しい信号システムであるATC対応ぐらいしか目新しいポイントは見つからない。

そうした中、「省エネ電車」という新コンセプトのもと、特急電車なみの耐候塗装、チョッパ制御、電力回生ブレーキなどの新機軸をひっさげて登場したのが現行の201系だ。従来のデザインを踏襲しつつ前面の黒色フェイスデザインを組み合わせ、くわえて椅子の塗り分けや座り心地の向上がはかられ、まさに「新型」の名にふさわしい画期的な車両だった。

そして、それから20数年が経過。かつての新型車両201系も老朽化が進み、カーブのたびにギシギシと車体はうなり、故障で止まってしまうこともたびたび。モーター車に乗っていると、モーターの騒音やら発生する熱やらでえっらく乗り心地はよろしくない。

新車のE233系にしても、「価格、消費電力、寿命」が従来の半分のいわゆる「使い捨て電車」(通称・走ルンです)であり、車両の寿命は13年程度。早くも2020年には全車廃車となる。

一体、この2020年に登場する車両とはどのよーなものになるのであろうか?

2020年の社会背景を(勝手に)考えてみよう。

少子高齢化により、日本の総人口は1億人を大きく割り込み、団塊の世代はいまだ健在ではあるものの、電車を利用して通勤するようなライフスタイルはとっていない。よって、2020年ごろには中央線であっても朝夕の乗車率が現在よりも大分緩和されることが想像される(ざっくり言って半分ぐらい)。

その後、政府は労働力を補充するためお決まりの移民政策を取り入れ、近隣アジア諸国からの労働力流入に加速がかかる。同時に犯罪発生率も上昇し、状況の推移に対して政策は後手後手に回り、対策は待ったなしの状況。

エネルギー問題は中国経済の発展によってより顕在化。自動車の動力システムが燃料電池やエタノールへと移行する中、電車においても大規模発電所や変電所を必要とする仕組みをあらため、分散式でかつエネルギー効率のよい方式が模索される。

「ゆとり教育」が社会システムに与えた負の影響はすさまじく、著しく質の低下した労働力は交通機関の維持運営に耐えようはずもなく、運行やメンテナンスの手間が減る方向への改革を余儀なくされる。

日本独自の車両開発が限界に達し、全世界的なスケールメリットを求めて車両メーカーの海外メーカーとの提携や統合がいま以上に進行する。

横田基地の民間空港への転用が決まり、時を同じくして短距離での離着陸が可能な航空機の登場により、横田空港の第2東京空港としての存在感が増す。

こうした勝手な前提条件をふまえると、このような姿が想像される。


エタノールから水素を取り出すタイプの燃料電池式電車。これによって、発電施設と変電施設を廃止し、さらに電車に必要だった架線も廃止。

車両の座席は通勤型であってもクロスシートを採用。各種アナウンスは日本語のほか、英語、中国語、韓国語などで行われる。そのため、ドア上の液晶表示が大型化。路線マップや広告表示は電子ペーパーが採用される。

車内の犯罪発生に対応するため、車内に監視カメラを常備。犯罪発生時には1車両ごとロックするシステムが採用される。その他、カーブでの走行性能を確保するため連節車両となり、1車両あたりの長さが現行の20mから12mへと短くなる。このあたりは、中国向けとヨーロッパ向けの車両との規格を合わせた都合上発生した仕様である。

当時、踏切は少なくなっていたが、飛び込み事故などは発生していたため、車両の事故早期警戒システムのため前方にレーダーとサーモセンサーによる生体監視システムが設置される。緊急時にはジェルジェット・アブソーバーの展開により時速120kmであっても衝突のショックを和らげることが可能に。

ちなみに、最高速度は180km/h。これは、羽田空港と横田空港の間を短時間で結ぶために高速化への要求が増大したからである。また、運行の高速化による副産物として、大月など山梨県の都市が通勤圏内になり、車輛自体の寒冷地対策がいっそう必要になった。

編成のうち2両は介護装置つき移動システムの収納に対応しており、移動式介護ベットの移送が可能。その他、高齢化社会に対応した装備や、介護資格を取得した車掌が乗っているなどさまざまな配慮がなされる。紙の切符が廃止されすべてICカード切符となり、車掌の仕事は高齢者の乗客の緊急時の介護に重点が移るのだ。

さて、どうなることやら……。

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