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Mac OS X 10.5, Leopardを占う

Mac OS X 10.5、次期Mac OS Xのコードネームが「Leopard」だ。

個人的には10.5は10.4からの無償アップデートにしてほしい。(AppleScript系のデベロッパーにとって)10.4の未熟さは度しがたく、これをそのままアップデートし続けて10.4.9になったとしてもバグが酷すぎて話にならないだろう。一度すべてキャンセルするしかない。

そうした個人的な感情を差し引いて、あらためて「10.5」というマイルストーンに何が設定されているであろうかを考えてみる。考察したりデータを分析するという段階ではないので、推測するとか、占うというレベルでしかない。

新しいOSは、消費者に対して「買いたい」という意欲を抱かせるものでなくてはならない。さらに、新たなハードウェアの性能を十分に活かせるものでなくてもならない。必然的に、新しい価値観や機能を提案するという性格が強くなる。

「新しい機能」とひとことに言っても、守りの機能と攻めの機能の2つがある。
攻めということでいえば、大学や研究機関といった新たな市場(再奪還したというべきか?)にくさびを打ち込んだことの持つ意義は大きい。ただし、あくまで計算クラスタとか、NetBootのサーバーとか、お手軽ファイルサーバーといったところである。

こうした市場に対して、さらに強力な地歩を築くのであれば、5つのテーマが考えられるだろう。

■構成&設定の容易な密結合クラスタ
現在、Xgridが提供しているクラスタは、あくまで(複数のマシンが協調処理しているような)粗結合のクラスタであって、複数のマシンが1台のマシンとして機能するというものではない。これが、複数のマシンをまとめて1台のマシンとして振る舞わせるような(あるいは逆に何台かのマシンとして分割運用ができるような)ソフトは魅力的だ。

■ピュアな64ビットのOS
そう一足飛びに行えるものではないとは思うが、こうした分野により受け入れられるためには、つきつけられるハードルになるかもしれない。ただ、NeXT時代から引きずっているAPIをすべて64ビット対応にできるのか? Carbonを64ビット化できるわけないぞ、という話もある。

■リッチなWebアプリケーションを作成できるRAD環境の提供
WebObjectsではなく、リッチなWebサービスを簡単に提供できる新たなRAD環境というのは考えられないだろうか? Xcode+IB上でCocoaアプリケーションを作れば、それがそのままWeb上にも公開できたらすごいことではないだろうか? Mac OS X上のルック&フィールそのままにWeb上でAjaxによって動く環境というのは、なかなか魅力的な感じがする。

■ありったけのオープンソースのソフトウェアをプリインストール&オートアップデート
ものすごくマンパワーが必要だが、このあたりは露骨に効くかもしれない。ただ、Appleが1社でコントロールできるようなカルチャーのソフトウェアでもないので、実現の可能性はおそろしく低い。

■Linuxとのコンパチビリティ
エミュレータでもLABI(Linux Application Binary Interface)でもソースコードレベルで容易にビルドが行える(ビルド時にLinuxであるかのように振る舞える)バーチャルビルド環境とか、そういったものでLinux用に作られたソフトがそのまま動くというのはメリットにならないだろうか? Linux筋の人が気にするのは主に「管理が同様に行えるか」というポイントのようなので、Mac OS Xを動かしつつ、バックグラウンドでWindowsやLinuxも動かせるといったあたりに落としどころがありそうにも思える。

次は、ボリュームゾーンに対してどのようなアプローチを行うかといった観点から求められる機能はどのようなものになるだろうか。

■見栄えのするド派手な機能
ここでは、Windows Vistaに負けられないところだ。ウィンドウやボタンの光沢からアニメーションのド派手さ、メニュー内容に至るまで、目を惹くような機能で後れをとってはならない。Finderのインタエースも含め、何かを打ち出してくることだろう。

■ユーティリティ的な機能
OSの本質的な部分を強化するものではないが、あると便利だと思わせるようなツール類の拡充は行われるだろう。Tigerでは、Dashboardのような成功例もあれば、Automatorのような失敗例もある。
Dashboardのお手軽作成環境とか、PodCastのオーサリング環境といったものが用意される可能性はある。

■目玉機能
Spotlightのさらなる強化、標準搭載アプリのSpotlight対応強化、iアプリのSpotlight対応強化。「Spotlight Everywhere」などと言うかもしれない。10.4ではまだ対応度に格差があったところに、さらに足並みをそろえるといったところだ。Core Dataを基盤にした場合、データ検索がシステムワイドに高速かつ柔軟に行えるということ「だけ」ではなく、アプリケーション同士で相互にデータを参照・更新できる点にもあるだろう。相互参照にもう少し力が入るとよいが、(OS側のみの改修で対応できるものかどうかは)分からない。

これ以外に、もう少し(コンピュータに詳しくないユーザーにも分かりやすい)何かの「目玉機能」があってもいい。Quartz Composerが何らかの形でプッシュされるかもしれない。スクリーンセーバー以外の用途での、何かだ。

Front Rowは標準搭載され、初版よりもブラッシュアップされることになるだろう。これはほぼ確実だ。

Apple自慢のワンボタン(にしか見えない)多機能マウス、Mighty Mouseについてもブラッシュアップが行われるだろう。

AirMac Extreme/Expressにも改修が加えられ、コンポジットビデオ出力が行えるようになるに違いない。iTunesでビデオ再生を行うと、AirMac Extreme/Express経由でTVに映像+音声を出力できるに違いない。

これだけの機能が盛り込まれたら新しいOSを買う気になるだろうか? 答えはイエスでもありノーでもある。開発環境がバギーなままでは、自分としてはとてもイエスとはいえない。ただ、一般ユーザーにとってはイエスということになるのだろう。

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