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アプリケーションの補助表示デバイスとしてのLED表示器

パソコンのモニタは、省エネルギーのために、数分間(数10分間)操作がなければ自動的に消灯するのが通例である。ノートだと本体の電源ごとスリープになる。
だが、メールの着信や何か急を要する情報表示があった場合に、それをパソコンのモニタとは別途表示してくれるとうれしい。


これまで、メールの着信についてはPowerMateを使って、光で知らせるようにしてきた。これはこれで非常に便利である。


http://www.focal.co.jp/product/griffin/powermate/index.html


だが、PowerMateはいわば1灯のLED照明(輝度調節可能)にすぎないため、何通届いたとか、どういう内容であるとか、そういう情報をフィードバックできるものではない。


ボイスフィードバックも行ったことはあるが、割と腹が立つ。声で読み上げられると、あまりに情報の伝わり方が遅すぎて腹が立つのだ。


そこで、パソコンの補助表示装置としてLED表示器(もちろん、漢字表示可能なもの)があるとよいのではないかと思うようになった。LEDの電光掲示板の小型なもの、というところだ。


LEDの電光掲示板について調べてみたところ、市場は主に大型で高額な屋外の看板として使う用途が圧倒的に多い。また、コンピュータからコントロールできるものも、PC/AT用がほとんどである。


小型のLED表示器も、部品レベルやキットのレベルでは存在するのだが、


(1)表示は26文字×2行程度
(2)ネットワーク、もしくはUSBでパソコンと接続可能なこと
(3)LEDのドライブは自立して行えること
(4)価格は高くても3万。できれば2万円以下


といった条件を満たすものはほっとんどない。自作しないかぎり皆無といってよいほどだ。


物理的な形状については、薄いこと(キットだと分厚いものがほとんどだ)、軽いこと(クリップで液晶モニタに取り付けておけるぐらい)、できればバスパワー駆動、可能であればなるべく透明に近いこと(消灯時に存在を感じさせないもの)が望ましい。


だが、こうした製品は市場に出ていない。ニーズがあるかないか、という問題はあるだろう。「あれば使ってみたいが……」というものであり、ぜひ使ってみたいという用途が果たしてあるものか?


(1)サーバーの情報表示用
モニタを消灯したまま使用するのが通例である。そのため、何かエラーメッセージを表示させたいという用途はあるだろう。


(2)メール着信通知用の補助表示器として
携帯電話のように、着信通知をする。


(3)アプリケーションの補助表示用
TV録画時にその内容を表示するとか、ビデオ編集ソフトでレンダリングの残り時間を表示するとか。CTI用のデバイスを電話機に付けておいて、着信時の電話番号を抽出し、データベースあるいはGoogleで検索してその内容を表示するとか。


家電的にコンピュータを使いたいとか、多目的でなく単一目的で使っているユーザー向けには、このような補助表示装置はちょうどよいのではないだろうか? これは、既存のGUI上にFlashによるインタフェースをかぶせようという話と割と似た話である。


ただ、安ければ買うが付加価値はなかなか認めないという一般消費者が納得するプライスに落とし込むのが大変そうだ。5万円では売れない。3万円でも微妙だ。2万円でそんなものが作れるのか、というところだが……表示器を1行表示にしても、


http://www.noritake-itron.jp/kit/sck3k.htm


ここの「SCK256x64D-3100A」(16文字×4行、RS-232C版)が20,580円。
Ethernet経由で接続するとしたら、XPortで、


http://www.co-nss.co.jp/online-shop/online-lantronix.html


これが評価キットで10,290円。おそらく、1,000個とか1万個ロットでないと売ってくれないことだろう(秋葉原あたりはあるかも)。


しかも、Xportの場合には単に「仮想シリアルポートをEthernetでブリッジしますよ」というものであり、仮想COMポートはWindows版しか添付されていないので、Mac OS Xの場合には自作しなければならない。


USB接続の場合には、SCK-256X64D-3100A(16文字×4行)で18,690円。


http://www.noritake-itron.jp/kit/sck3k.htm


XPort経由ではなくUSB経由でコントロールするとしても、仮想COMポートのソフトは自作する必要がある。


バスパワー駆動できるのかと思い、仕様書を確認してみると……


http://www.noritake-itron.jp/cs/gu3000/lineup.php


850mA消費するようで、USBバスパワーで500mAまでしか給電できないため、ACアダプタの使用が必須となる(別途FireWireから給電したらどうだろう?)。
ハウジングケースを何か用意する必要はあるだろうし、18,690円+ハウジングケース代+ソフトウェア代+送料+手数料(動作チェックは行う必要がある)……大量発注でもしない限り、3万5,000円を下回ることはないだろう(汗)。


FireWireから給電するための回路がどの程度のものになるかは、(ハードウェアの知識がないので)不明だが、手間を考えるとACアダプタからの給電の方が得策。
これでようやくお膳立てが整った。Terminal上で動く文字列送信コマンドを用意して、それをdo shell script命令でAppleScriptから叩くようにし、各種アプリケーションから情報を抽出してLED表示。


やりたいのはこれだけなのに、えっらく手間暇がかかるのであった。

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