Mac OS X 10.4のリリースとともに世に出たAutomator。当初は、熱狂とともにユーザーに受け入れられた。
「スクリプトは書けなかったが、Automatorならなんとかなりそうだ」
しかし、ある一定の時期を過ぎると、ユーザーは強い不満を抱えるようになる。
「海外で配布されているAutomatorの部品をダウンロードしてきても、日本語環境で動かない場合が多いじゃないか!」
Appleが日本語環境におけるAppleScriptのバグをまともに直さずにここまで引っ張ってきたために、Automatorという「見た目」だけを変えたところで、バグがより顕在化するだけだったのだ。
デベロッパーも白い目でそれを眺める。
「さんざん、バグレポートを書いて指摘してきたのに無視してきた報いだ。自業自得だよ!」
かくして、Appleのもくろみは外れ、Automatorはエンドユーザー向けの自動処理ツールとして定着しなかった。
だが、予想外に業務系ジャンルで「専用ソリューションのカスタマイズ用プラットフォーム」として使われるようになり、とくにWebアプリケーション作成ソリューションとして一部で絶大な人気を博する。
……こうならないために、「日本語環境固有のバグ」をきちんと直すなり、ガイドラインをオンラインマニュアルに明記するなりしていただきたいものである。