Mac用のドキュメントスキャナといえば、PFUのScan Snapの独壇場。Macユーザーからドキュメントスキャナのおすすめを聞かれれば、間違いなくScan Snapをおすすめしている(けっこー何人も買っている)。
■富士通の完全子会社になったPFUのScan Snap
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富士通というとダサいコンピュータをダサいCMで無理やり売っているダサいメーカーというイメージがどうしても頭から抜けない(失礼)。PFUの製品は買いたいが、富士通からは買いたくない。なかなか悩ましいところだ。
……と、そんな「PFUの独壇場」の時代も2009年で終わりを告げたようだ。ライバルメーカーが、ものすごく消極的かつ慎重にMac市場に参入しだした。Apple製タブレット(iPad)が市場に(大量に)出てきてから、「ああっ! ドキュメントスキャナをMacに対応させとけば売れたのに!」と後悔したくないので、保険をかけておいたという風にも読めるが………。
■キヤノン DR-2510C
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PFUとものすごくコンセプトの近いドキュメントスキャナを出している。世界の市場でトップシェアを取っているのはPFUらしいが、その後追いをしているのだろうか。昔から筐体のデザインはいいと思っていたのだが、Macに対応していなかったので選択肢に入っていなかった。
とりあえず、Mac用のドライバを別途ダウンロードというかたちで提供し出した。これで様子を見てみようというところだ。(子会社とかおつきあいのある外注の)ソフトウェアの開発力はあるので、本気になったら性能向上が著しいと思うが、まだ本気は感じられない。Macユーザーで使っているという声もあまり聞かない。
■エプソン GT-D1000
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フラットベッドスキャナにADFを標準装備した機械。ビジネス用のドキュメントスキャナというよりは、デザイン会社にでも置いてありそうな雰囲気。性能重視で省スペースについてはまったく考慮していないので、ドキュメントスキャナという枠組みに入れていいのか不明。
このタイプの機械を出し続けているかぎりは、ドキュメントスキャナの市場は取れないんじゃないかと思われる。一般ビジネス市場を攻める気があるなら、省スペース機を出すべき。ただ、複合機のほうでシェアを持っていそうなので、こっちはおつきあい程度で出しているだけかもしれない。
■コクヨ Caminacs W
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去年の年末、唐突に「貸し出しキャンペーン」を開始したコクヨ。同時にMac版ドライバのダウンロードによる提供を開始した。いまさら? とか、なんでコクヨが? というところだが、ネットワーク対応とかA3対応といった他社が手をつけていないところをねらっている。ただ、どうもスキャン速度があまり速くないようで、カタログ性能にも用紙サイズによる読み取り速度にブレがある。紙が大きくなるとフィードも慎重に行わないとダメなんだろう。実際のところは、使ったことがないのでなんともいえない。
選択肢が広がったのはいいことだ。各社の製品をさくっと図にまとめると3枚目の画像のようになる。EPSONの製品の値落ちが大きく、やっぱり省スペースタイプでないとつらそうだ(ドキュメントスキャナの売り場に置いてもらえないだろうし)。ぼちぼち、PFUの製品もモデルチェンジしそうな気配なので、このマッピングも変わるかもしれない。
各社の製品仕様を見ていて気付いたのだが、ドキュメントスキャナで読み取った画像をiPhotoに突っ込むのはどうかと思う。デジカメの写真が入っているとうれしいが、ドキュメントスキャナの画像が入るのはうれしくない。だいたいはどこぞの指定のフォルダに入っていれば、Finderで管理すると思うのだが……。
あと、Mac OS Xの標準機能でスキャナのネットワーク共有ができるので、そこんとこ書いておいたほうがいいと思う。とくに、キヤノンとコクヨ。製品企画をやっている人間がMacのことを知らなさすぎる雰囲気が漂っている。LAN上にMacがウヨウヨつながっている環境というのが社内にはないのかもしれないが、ある場所にはある。というか、かたまっている。
あとは、ソフトウェアの出来次第といったところだが、実際に使ってみないとなんともいえない。Windows風のセンスのわる~いビューワーとかをつけられると不幸になるので、それだけはやめてほしい。あと、iPhoneやiPod、iPadとの連携は考えておいたほうが絶対にいい(ああ、iPhoneやiPadに転送させるためにiPhotoに入れさせているのか)。そんなところだろうか。