次のiPhoneが6月のWWDCで発表されることが確実視されている。次のiPhoneで確実視されているのが、画面のドット数が増えることだ。
現在のiPhoneの画面では、ドット数が少なさ過ぎて、標準的な部品でアプリケーションのユーザーインタフェースを構成することが困難である。困難というと語弊があるかもしれないが、Interface Builder上で標準的なGUI部品を置いて試してはみるものの……マヌケなものになってしまう。
そこに、画面解像度をあげて、ドット数を増やすという噂が…………
ドット数を増やすのはいい。表示できる情報量が増えるし、ユーザーインタフェースを設計するうえで有利だ。ビデオチャットなどを行う上でもドット数が多いと3者通話を行うような場合に有利だろう。
ビデオチャットを標準搭載した場合に、iPhone本体とユーザーの顔が若干離れるので、実用上いろいろと問題が出る。マイク感度を上げれば環境音を拾いすぎてしまうし、感度を上げないとユーザーの声が拾えない。ここでAppleの技術者がどういう味付けをしてくるかが見物である。もしかしたら、ビデオチャット時にはヘッドホン内蔵のマイクを使用することが推奨されるかもしれない。技術的な解決よりも、運用的な解決を図ったほうが安上がりなケースは多い。
画面解像度が上がるということは、画面を作成する方にとってはメリットが大きい。……ただ、利用者側からすれば、いいことばかりでもない。
物理的な画面の大きさがほぼ変わらないのだとすれば、1ドットあたりの面積は小さくなる。これは当然のことだ。
1ドットあたりの面積が小さくなるということは、同じボタンを画面表示したとしても、ボタンが「押しにくくなる」という問題がある。旧来の機種の画面では余裕で押せていたボタンが、押しにくくなってしまったりする。
とりあえず、従来のアプリケーションについては、画面上の画素4ドットで1ドットを構成するような「低解像度モード」で表示すれば、こうしたことは回避できる。ただ、ネイティブ解像度で表示するとボタンが押しにくくなる。
実際の画面上の物理的なサイズを十分に確認しないで画面設計を行ったりすると、トンでもなく使いにくいアプリケーションができてしまうこと間違いない。
iPadのアプリケーションでも「このサイズのボタンを付けられても、指で押せない」というものがいくつかあった。実機上の確認がやはり欠かせないところだ。
ちなみに、これまでの世代のiPhoneは「実用性がいまひとつ」としてまったくそそられなかったのだが、次のは手を出すつもりだ。なので、余計にいろいろ考えてしまうところ。