iPadが導く電子ブック化の本当のシナリオ(1)

iPadは「電子ブックリーダー」としての側面が強調されてきた。そして、PC後の世界を形作るもの、として紹介されてきた。 

世間に喧伝されている普及シナリオはこうだ。 

 iPadが売れる 
 電子ブックリーダーとして使われる 
 既存の出版物を電子ブック化しないと取り残される! 
 電子ブックのコンテンツをそろえた、これでしばらくは大丈夫 

だが……実際の電子ブック普及のシナリオは、こうなるのではないだろうか。 

 iPadが売れる 
 電子ブックのコンテンツがない! 
 ようやく出てきたが、(価格や機能が)紙の本とたいして変わらなかったり、電子化する意味がないものだったり(検索できないとか)、購入者の権利を著しく制限する(所有を制限するとか、時間がたつと消えるとか)ものばかり! 
 → 古本や自分が持っている本を裁断してスキャンして持ち歩いたほうがいいや!  
 既存の紙の本が本当にまったく売れなくなる 
 業界団体、本のスキャンがしにくくなるようなインクで印刷したり、本の裁断→スキャンを制限するような法整備をしようとする(スキャンする行為を肖像権の侵害といった、従来の法律の大幅な拡大解釈で潰そうとする) 
 ユーザー(読者)からの反発を招く 
 本離れがいっそう顕著になる 
 既存の事業者の撤退や廃業がひろがる 
 焼け野原になった出版業界に、新興企業が電子ブックを前提とした本の販売をはじめる 
 電子ブックが普及する 

家中にある紙の本のうち、本としての所有価値があるもの(ものすごく昔の入門書とか)以外は、裁断してスキャンしてiPadに入れた方がいいような気がものすごくしてきた。Mac系の雑誌は場所ばかりとるので、全部捨てることにした。 

住居スペースを著しく圧迫する、無用な紙の本を徹底的にスキャンして廃棄すべきだと思えるようになってきた。いまのうちに、ドキュメントスキャナのメーカーの株でも買っておくといいかもしれない。

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