紙→電子ブックの流れは(1)で書いたとおり。既存の事業者が新しい流通形態に対応できずに、一度焼け野原になり、まったく関係ない会社が電子ブックの流通事業を始めることだろう。きっと、外資系の会社が。
既存の出版事業者の憤死と同時に、電子ブック市場の収斂も進行する。
1. iBooksのリリース、ePub形式の採用を宣伝(2010年)
2. ePub形式では表現し切れないので、「専用アプリ」による電子ブック販売が先行して進む
3. ePub規格のバージョンアップが進み、「専用アプリ」側が独自アプリの作成で対応してきた各種ニーズを取り込む
4. 独自アプリなしで同様の表現が行えるレベルにePubの規格が成熟する(3~5年程度)
5.電子ブックのePub ver.Xへの移行をパブリッシャーに呼びかけ。移行期間終了後は、ePub ver.Xで記述された電子ブックのみiTunes Store上での販売を許可する(1~2年程度)。また、ePub ver.Xのデータは、PagesかKeynoteを使ってMac上でしか記述できない状況が出来上がる
6. 独自の専用アプリによる電子ブックの販売を終了宣言する
7. 電子ブックデータの標準化がePub ver.Xによって完了する
Google側がどう仕掛けてくるか、というあたりが変動要素。ただし、Googleのビジネスモデルは「広告」がベースなので、ちょっと読み切れない。マイクロソフトも当然何かをやってくるはずだが、電子ブックリーダーの市場を押さえられていないのと、オンライン販売のストア機能がいまひとつ。
Appleの「ハード/ソフト部門」「オンライン販売部門」を分割するように、法廷闘争を繰り広げるというあたりが、「ものすごくあり得そうなシナリオ」だろうか。