電子ブックを数百冊も買っていたために、このデータ移行が問題になった。しかも、古い方のMacBook Proは友人に売却する話が(数ヶ月前から)すでについていたため、一刻も早く引き渡したい(巨大なノートを奥方様が邪魔者扱いするので)。もちろん、引き渡しが遅れると中古価格が下落してしまうかもしれない……という恐怖もある。
そんなわけで、可及的速やかにマシンの引き渡しを行いたいところなのだが、電子ブックのデータ移行がまったく進んでいなかった。夜中に夜通しデータを移行させれば……などと考えていたが、奥方様から頼みごとをされてKeynoteの資料を作ったり、つい眠くなってウトウトし、途中でお米をといで炊飯器にかけたら熟睡。
翌朝……昨夜うっかり寝てしまったことで、「普通のやりかた」では作業がとうてい終わらないことが明らかになった。
「普通のやりかた」を具体的に説明するとこうなる。
イーブックイニシャティブジャパン(以下、EIJ)の電子ブックサービスでは、オンラインのストレージサービス「トランクルーム」が利用できるようになっている。このトランクには無料契約で50冊までの電子ブックを置いておけるようになっており、iPhoneやiPod touch(たぶん、iPadも)でEIJの電子ブックを読む場合には、オンラインストレージである「トランクルーム」に置いた状態でダウンロードしては読むというスタイルになる。
PC/Mac版の電子ブックリーダー(ebiBook Reader)の環境でも、複数のマシン間で電子ブックデータの転送を行うためには、この「トランクルーム」を介してやりとりするしかない。
電子ブックを50冊まとめて「トランクルーム」にアップロード(購入情報のみを戻しているらしく、すぐに終わる)して、新マシンでダウンロード……という作業を繰り返すことになるが、ダウンロード時にマシン情報を入れてエンコーディングし直しているので回線速度とは無関係に時間がかかる。こちらのマシンがハイパワーになっても関係ないところを見ると、サーバー側の処理の問題のようだ。
で、アップロードはすぐにできるのにダウンロードにやたら時間がかかるため、数百冊分の移行なんて週末の休みを使って行っても「とうてい終わらないだろう」という見通しがついてしまった。
だが、移行はすぐに行いたい。
しばし考え、オンラインストレージの「トランクルーム」のスペースの拡張、という手段に出た。無料の状態では50冊までしか置いておけないが、有償で年間契約するとよりたくさんの電子ブックをオンラインに置いておけるのだ。
オンラインストレージに電子ブックを入れておく、という意味でこのサービスをとらえると、必然性がまったく感じられない。
「そんなサービス使わねえよ!」と思っていたのだが、ことデータ移行のためにはやむを得まい。500冊分の契約をその場で行った。
1,200円/年と書いてあったが、420円ぐらいしか請求されなかった。割引キャンペーンか何かなのだろうか? まあいい。データ移行が終わったらすぐに解約するのみである。
だいたい、コンテンツの移行とかコンテンツの貸し借りという面ではEIJのサービスはアラが多い。だいたい、夫婦で二人ともアカウントを持っていて、電子ブックの貸し借りを行うとかいうシチュエーションでは、電子ブックデータの移動が行えない。どーいうつもりなんだかよく分からない。
何はともあれ、「トランクルーム」に電子ブックデータをすべてアップロードして、「後からゆっくりダウンロードすればいいや」という体制を整えた。
これによって、24時間以内に500GB以上のデータを新マシンに移行し、iTunesの音楽については問題なく移行。手間のかかった電子ブックデータについても一応の決着を見たのであった。