昔から、日本語の手書き風フォントに目がない。90年代初頭には、1バイト文字に手書き風ひらがな/カタカナを入れた「R研究所」の手書き風フォント(フォントフレンズ)などを愛用してきた。
だが、その後ずーっとJIS第1水準とか第2水準の漢字までサポートした手書き風フォントが登場することはなかった。そんな大変な作業をやりたがる人間なんていなかったからだ。
そんな最中、(たしか)西暦2000年前後に唐突に現れた「ことり文字ふぉんと」。ひらがな、カタカナは言うに及ばず、アルファベットや漢字をも含むフルセットの手書きフォント(しかもフリー)の出現、さらにかわいらしいデザインにハートわしづかみ状態だった。
これだけ可愛いらしいフォントであれば、脅迫文の文章にも微笑んでしまうことだろう(たぶん)。
はじめはマニア屋さんの間でのひそかなお楽しみだったものが、一般の雑誌やCDなどに使われるようになり、ブレイクを予感させるような動きになってきた。
作者に直接コンタクトを取ったことがあるのだが、人前に出て話をするとかいったことは苦手……ということだった。
そして、ことり文字ふぉんとの作者の方がサイトを畳んでしまう。
ことり文字ふぉんとをダウンロードすることができなくなってしまったのだ。
アンケートや事務的な書類を「ことり文字ふぉんと」で打ち出すと、かたーーい文章も親しみやすさ3倍増し。こんなすぐれもののフォントの利用を広げられないことは実に残念なことだった。
2005年以降、手書き文字フォントのさまざまな新作が世に出回るようになり、ひじょーーにいい感じにはなってきたが、どれもこれもいまひとつタイプフェイスが細いので、「ことり文字ふぉんと」の代わりにはならなかった。
そんな折、つい先日たまたまことり文字ふぉんとの情報を探して検索してみたら……Web上での配布が再開されていることをキャッチ。なんと、有料の「ことり文字ふぉんとPro」というものが登場したのだとか。
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お値段、わずか1,560円! これはぜひ手に入れておきたい逸品である。