ちょっと前にリコーのコンデジ(コンパクトデジカメのことをこう呼ぶ)、CX3を購入。ハイビジョン解像度のビデオ録画ができる機能にも、オマケ機能らしいと思いつつも(ちょっとだけ)期待していた。
そして、満を持して隅田川花火大会と諏訪湖の花火大会にデジカメ代表としてCX3を、ビデオ録画機能つきリニアPCMレコーダー代表としてZoom Q3を持って行った。
ただし、一般的には「花火大会にQ3を持っていく」のは、およそ商品の性格を完全に無視した行いであり、そこで映像に失望したとしても文句をつけるべき種類のものではない。逆に、「大迫力のサウンドが録れたらラッキー」ぐらいの姿勢が重要である。
コンデジ代表 CX3:
暗いところでも、少ない光量でもくっきり写る。ただ、花火を撮るのは難しい。ブレるしピントは合わないし……人物をストロボ撮影するなら文句のつけようがないが、花火の写真撮影は難しい。
CX3によるビデオ録画はどうか?
結論からいえば、「惜しい」としかいいようがない。
録音マイクはモノラルだし、Zoom Q3と比較になるはずがないが……花火の音は、結局「遠くで鳴っている破裂音」(短くて激しい音)だったりするので、デジカメのマイク程度でもなんとなく分かる音が録れている。逆に、Q3でもパソコンのスピーカーで聴く程度ではあまり差がない。
ヘッドホンで聴くと、Q3で録った音は「花火の音と近くの雑踏の人の声と係員がマイクで誘導している声がぜんぶ聞こえる」すごい音なのだが、なんとなくスピーカーで聞くぐらいではデジカメのマイクも(期待値が低いだけに)、なかなか善戦しているように聞こえてしまう。
加えて、手ブレ補正がない割にはけっこうキレイに録れてしまう映像。花火だとピントがうまく合ってこともあるが、半分以上のムービーはきちんと撮れていた。
……何か、CX3の大勝利といった雰囲気だが、唯一にして最大の問題点がひとつ。録画時間である。
CX3にはお手ごろ価格の8GBのSDHCカードを入れて使っているが、そういう容量とは関係なく……CX3で動画を録画していると、50秒しかもたない。50秒たつとバッファがいっぱいになるのか、さらに録画時間とおなじぐらい時間をかけて記録媒体に書き込みを行う。
連続して録画できるのが1分弱(50秒)。これ、設定を変更すれば何かが変わるのかとも思ってみたのだが、HD解像度で録るぶんには変わらないようだ(解像度を下げれば時間は伸びるだろう)。
ここぞ! という時だけ録画すればいいんだろうけれど、なかなかそうもいかない。他のメーカーのデジカメではどうなのか、興味がわいてくるところだ。
Zoom Q3:
ウィンドスクリーンをつけて、ミニ三脚をつけたZoom Q3を持ち歩いているとひじょうに目立つ。観光地でQ3を持ち歩いていたらお土産屋の親父に「なにそれ、マイク?」と声をかけられてしまったほどだ(川のせせらぎ+セミの音をとっていたのに。まあいいか)。
CX3と比べれば、花火の音もはるかにいい音で録れている。というより、まわりで騒いでいる子供の声とか救急車の音なんかがやけにクリアに録れている。
肝心の花火自体の音については……その場で聞いていた音ほどに迫力のある音が録れるわけではない(再生環境にもよるが)。いいオーディオセットで花火の音を再生すると、スピーカーを壊してしまいそうで怖い。
映像は……よほど花火の近くに寄らないと、ディテールは分からない。なんとなく花火が映っていることが分かるか分からないかといったところだ。
ただ、電池がもつかぎり2時間ぐらいは録画できるし、電池を入れ替えればさらに連続して録画できる。でも、Q3で撮った花火の映像を見てもそれほど楽しめない。
けつろん:
花火の記録を残しておきたいなら、やはりCX3で録画するのがよいだろう。静止画もキレイだし、つぶしが利く。
花火をQ3で録るのは……何か激しく間違っている気がする。日光の華厳の滝で録音をしてみたが、こういう自然の音というのはやはり現地で実物を体感するのがよいのだろう。
花火大会にもっていくなら、CX3だろうか。ただ、連続ムービー録画時間がもうちょっと長いとよいのだが、、、、