Leopardが登場したのは約1年と4ヶ月前。日常的に利用しているアプリケーションを検証し、その上で動くAppleScriptを書き換え、Mac OS X 10.4と同様の機能が利用できるようになるまで1年以上かかった。OSだけ移行しても、その上で動くものが移行できないと意味がない。バグが落ち着く(あるいは、次期リリースまで直らないものとしてあきらめる)までは、Scriptの書き換えに着手できないし、着手したからといって書き換えが完遂できるともかぎらない。
個人的には、Leopard上で拡張された機能というのはあまりAppleScriptで利用していない。バックワード・コンパチビリティ(Mac OS X 10.4との下位互換性)を考慮すると、とても日頃利用するScriptライブラリに10.5だけで利用できる記述を混ぜる気にはなれない。
そんな時に、ふとLeopard登場時のAppleのWebサイトの内容が気になる。だいたい、その内容についてはリリース直後は疑問符だらけだったのだが、いまなら冷静に評価を下せる。
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■Full Unicode Support for AppleScript
日本語環境における混乱の元凶がコレである。Leopardではひらがなとカタカナを同一視する、などというトンでもない仕様になってしまっている。これが10.6までに直らなかったら訴訟モンだろうか。
■Enhanced Application Object Mode
まー、アプリケーションをIDで指定できるようになったとか、その程度。実行中かどうかも簡単に確認できるようになったが、これまでも同様の機能は自分で書いて使っていた。便利っちゃあ便利なんだが、Mac OS X 10.4のことを考えると使えない。
■DESCRIPTIVE ERROR MESSAGES
これ、アプリ側も対応していないとちゃんとエラーメッセージが表示されないようで、エラーメッセージに関しては逆になんだか訳が分らなくなってしまっている。ちゃんとエラーが出ることを確認できたのは、InDesign CS3+Leopardの組み合わせだけである(逆にびっくりした)。他はほぼ全滅状態だ。ほとんどのアプリケーションで、
「AppleScriptエラー &1を取り出すことはできません。」
とかいう、訳の分からないエラーメッセージを出すようになってしまっている。これなら、まだエラー番号のほうがマシだった。US Appleが、このへん何にもチェックしないでリリースしていることが伺われる。だいたい、Leopard 300の機能にリストしてるんなら、Snow LeopardではなくLeopardのうちに直すべきだろう(Appleに直せるのかどうかは知らないが)。
■APPLESCRIPT LANGUAGE GUIDE
英語版の、US AppleのサイトにあるガイドがWebブラウザで表示されるだけである。なんなんだろうね、この「竜頭蛇尾」感は。
■64-BIT SUPPORT
まーー、今後も継続してちゃんとAppleScriptのサポートを続けます、という意思表示。そういう意味ではここ数年来で最大の前向きな明るいニュースなのだが、AppleScriptの数値演算有効桁数が64ビットの範囲に拡張されるとかいう話ではまったくないので、それが今日明日のプログラミングに何か影響を与えるかと言われれば、別になんの影響もない。有効桁数とかもいいかげんに手を加えてほしいものだが(汗)
……やっぱり、ハリセンを手にクパティーノまでお礼参りに行かないとダメかもしれない(ーー;;