AdobeのFlexBuilder 3を使ってみた。以前に一度試用版をインストールした記憶があるのだが、ロクに使わずに放置しておいたような気がする。だから、インストールだけは行ったが、根性入れて向き合ったのはこれがはじめてだ。
FlashベースのRitch Internet Applicationを作成する環境。アニメーションやらを作るためにタイムラインやスプライトを扱うことに特化したFlash。Flashでプログラムを作るのは、プログラマーにとってはかなり厳しい作業だ。Webブラウザで利用するWebアプリケーションを開発するためのFlash環境……というのがFlexBuilderの位置付け。
慣れている人が多いためか、MicrosoftのVisual Studioにひじょうによく似た画面構成。また、利用できるGUI部品の中にはMac OS XのInterface Builderでおなじみの(Windowsにはない)もの……たとえばレイアウト用のヘアラインなど……がいくつか入っており、驚いた。
ちょこちょこいじくりながら、ヘルプを参照して30分ぐらいでHello Worldもどきの……ボタンを押すとボタンのキャプションが「Hello World」に変わるものを作成してswfにビルドできた。
その手軽さにはなかなか感心して、いろいろなGUI部品を貼り付けてユーザーインタフェースの試作を行ってみた(ただキャンバス上に部品を並べただけだ)。
この手の「Webアプリかんたん作成環境」のGUI部品だと、大味でピリッとこないものが多いのだが、なかなか自由度の高いレイアウトができた。一部、Tabコントロールに「縦長になる」とかいったレイアウト依存の問題点は見られたものの……これだけできれば上出来だ。
データベースへのアクセスは楽そう。Webサービスとの連携も楽。……となると、いろいろアプリケーションを組んでみたくなるものだが、それでもやはりOSネイティブの開発環境には及ばないものを感じてしまう。たとえば、ハードウェアの能力を活用するようなQuartzComposer系の機能とか、アプリケーションのコントロールを行うAppleScript系の機能などは(シェル経由で呼べる可能性もあるが)利用できない。
Webアプリを作るだけならこれで十分というか、十分すぎるほどだろう。ActionScriptはそれほど難しくなさそうなので、覚える気になればすぐに覚えられる。
ただ、ハードウェアの能力やらOSの能力を絞り出すようなものは、これで作ることはできないだろう。ローカル用としてはAdobe AIRがあってFlexBuilderでもローカル用のアプリをビルドできるらしいのだが、気の利いたアプリケーションが作れるかどうか……。
しかし、これだけのものが3万円程度で入手できるとなると、FileMaker Proのリプレースを行うようなDBのフロントエンドアプリケーションも作れてしまいそうだ。FileMaker Proが頑にWebアプリ作成のための機能強化については、いささか消極的な立場にあるように感じている。
さて、どうなりますやら。
後日談:
とかいっていたら、その翌日にFlexBuilderからFlashBuilderに名称変更になった。いろいろメニューまわりの完成度が上がっている印象を受けるが、ますますWindowsのVisual Studioっぽくなってきた。