今年のWWDCの話題を予想……する前に、これまでのWWDCのキーノートの内容を振り返ってみる。
・2005 Intelへの移行
・2006 Leopard(1)
・2007 Leopard(2)
WWDCは開発者向けのイベントであり、一般消費者向けのものではない。具体的な新製品発表のオンパレードといった風にはならないだろう。
Macの売り上げ、iTS売り上げなど近況を説明した後……
・iPhone 3Gについて
・iPhone OS/iPod touch OSについて
・iPhone SDKについて
といった話が行われることは明らかだ。Apple TVについても、何らかの発表が行われるかもしれないが、もう少しApple TVのソフトウェア面、ハードウェア面、ソフト供給に関する外的状況の「熟成」には時間がかかるものと見ている。
iPhone 3Gについて、このマシンがMacBook Pro/MacBookのためのインターネット接続するための機能(無線ルーターになる機能など)を備えているのではないか、という勝手な予想もある。あるいは、MacBook Pro用の3G通信のExpress Cardが出てくる……とかいった話も考えないではないが、iPhone 3GとMacBook/MacBook Proを一緒に携帯していた場合のみに生じるメリットとかいうものを打ち出すべきだ。
新たな形態のハードウェアの発表は、ないものと見ている。仮にMacBook Pro/MacBookのモデルチェンジがあったとしても、マイナーチェンジになることだろう。大々的なデザインの変更が行われるとしたら、来年初頭だろう。ただし、すぐに発表されることはないとしても、今年中に○○という形態のハードウェアが発売される、といった予告はあるかもしれない(Apple TVのように)。それはおそらくタブレット機であり、ハードウェア面ではiPod/iPhoneの要素を多く持ちながら、ソフトウェア面では明らかにMacintosh(Mac OS X)という構成になることだろう。
問題は、肝心のMac OS Xのロードマップだ。iPhone OS(iPod touch OS)とMac OS Xの関係、今後のバージョンアップの計画……たとえば、Mac OS Xのメジャーアップデートがあった場合、iPhone OSも一緒にアップデートするものだろうか。また、それは有償によるものか、無償で行うものなのか……
Leopardは、2007年10月に発売されて以来、
・Mac OS X v10.5.0 (build 9A581)、2007年10月26日
・Mac OS X v10.5.1 (build 9B18)、2007年11月14日
・Mac OS X v10.5.2 (build 9C31)、2008年2月11日
・Mac OS X v10.5.3 (build 9D34)、2008年5月28日
と、マイナーバージョン3に至るまで、6か月を要している。これは、過去のMac OS Xと比べると、特別に遅い歩みと感じていたのだが……
・Mac OS X v10.4.0 (build 8A428)、2005年4月29日
・Mac OS X v10.4.1 (build 8B15)、2005年5月16日
・Mac OS X v10.4.2 (build 8C46)、2005年7月12日
・Mac OS X v10.4.3 (build 8F46)、2005年10月31日
・Mac OS X v10.3.0 (build 7B85)、2003年10月24日
・Mac OS X v10.3.1 (build 7C107)、2003年11月10日
・Mac OS X v10.3.2 (build 7D24)、2003年12月17日
・Mac OS X v10.3.3 (build 7F44)、2004年3月15日
と、過去の例を見るとそれほど違うものでもない。Leopardはおよそ1年ほどでアップデートされる「短命OS」と聞いていたのだが、過去の例にならえば2年以上の寿命を持つことになるようだ。それだけに、遅々として直らないバグの存在など、このOSとまともに向き合いたくない理由を確実に除去してもらいたいものだが……
ただ……Windows 7の発売が2010年とされており、これに先んじて次期Mac OS Xを発売するかどうかという外的要因がある。
このあたりが見所だろうか。OSの名称も、ネコ科の動物のストックも底をついており、残るのはLionぐらいのものだ。ほかに、「従来のルール」を変えるような何か……OS戦略の変更などの発表があるものと見ている。