久しぶりにPowerPointを使ってみた感想

プレゼン資料を作るのにMac OS X上でKeynoteを使うようになって何年たっただろうか。最初のバージョンが登場して以来のユーザーであるが、Keynoteに乗り換えて以来、Mac OS X上でPowerPointを使うことはまったくなくなった。インストールはしてあるが、あくまでビューワーとして使用するためだけである(その用途にだってほとんど使っていない)。

……で、久しぶりに必要になってPowerPointを使うことになった。My野望系の提出資料がPowerPointとWordのファイルで作成する必要があったためである。これを作るために、幾多のシミュレーションを行い、コンセプトやら何やらを練りまくり……休みもつぶして自宅で野望系の会議を行ってきた。

指定フォーマットがよりによってPowerPoint。オレたちの血と汗と涙の結晶であるところの企画を、PowerPointなんていう犬小屋みたいな空間に描かなくてはならないとは! だいたい、なんでPDFで提出させないんだか不思議である。

うーーーーーん、、、(ーー;;

久しぶりにPowerPointを使って、なつかしさで涙が出そうだ。この90年代テイストのままのクラシックな操作感と表現力のなさが素晴らしい。GUIベースのアプリケーションなのに、あきらかにアイテムの配置が(PowerPoint 2008でも)文字単位っぽい位置決めしかできないというのは、どういうテクノロジーを使ってのことなんだろうか。

Mac上のPowerPointで表示するのはまだいい。しかし、Windowsに持っていって表示させると幻滅のあまりめまいがしそうだ。

きれいに表示するためのプレゼン資料が、見るも無惨な貧弱な見た目になってしまうというのは、これは何らかの表示変換技術が投入されてのことなんだろうか。PNG形式のファイルを配置すると、(Windows版のPowerPointでは)階調がメチャメチャになって見るも無惨な姿になる。どういう匠のテクノロジーが使われているのだろう。

ああ……PowerPointって、こんなに前世紀の仕様をひきずったままの、見るも無惨なアプリケーションだったんだ(ーー;; Keynoteと比べると、雲泥の差どころの話ではなく、もう……世の中に存在しているのが可哀相なぐらいのレベルのアプリケーションである。

PowerPointの存在を日頃から意識していない(意識のレンジ外のさらに外にある)ので、まったく気にしていなかったのだが……Windows+PowerPointのカクカクなアニメーションを見させられて頭痛や嘔吐感に見舞われたことが何回もあるので、こんなみっともないトランジッション機能は使いたいとは思わない。また、わざと文字をギザギザのジャギー表示で再生するレトロ感いっぱいの表示を行うPowerPoint表示マシンにゲッソリさせられたことも幾度とある。

仕方なくPowerPointで資料を作るなら、静止させておいたほうが公害にならなくてよいだろう。もしくは、Keynoteで資料を作っておいて、Keynoteの表示を画像に書き出して、PowerPointには画像しか貼り付けていない状態にするとか。

Excelや(それより数段落ちるけど)Wordはそれなりに価値を見いだしているものだが、PowerPointだけは他と比べてひどすぎである。

以前、何かの展示会でどこぞの国内のPCメーカーのオジさんたちに「こんなに小さなパソコンを作ったんですよ〜」と、嬉しそうにMac miniよりもふたまわりぐらいでかい筐体のマシンを展示しているのを見せられ…………「頭、おかしいんじゃないんですか?」と、言いそうになり……あわてて走り去ったという経験にひどく似ている。なんで、相手を傷つけないようにこちらが気を使わなくてはならんのだ?

現代におけるPowerPointのダメダメさ加減は、そういう気まずい経験にひどく似ている。もはや、比較対象とかいうレベルではなく「比較してはいけないレベル」と断言してしまってよいだろう。

もはやPowerPointの無惨な状況は、


        「うんこ」


という言葉でしか表現できない。おいおい、それは名詞であって形容詞じゃないだろう、というツッコミをされたとしても、もはやそれしか表現できる言葉が見つからない。いくら美辞麗句を重ねてショックをやわらげようとしても、絶望的なほどに表現の選択肢が限られてしまう。

Keynoteから画像を書き出して、PowerPointの各ページにそれを貼り付けるというAppleScriptを作ってもいい。

真剣に作りたくなってきた(汗) それなら、PowerPointの資料であることに変わりはないわけだし。その状態で提出しても、きっと文句は言われないに違いない。

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