ここにきて、iPhoneの一回り小さいモデル「iPhone nano」登場の噂が流れてきている。
この手の噂は、一面の真実を反映していることはあるが、全て正しいとはかぎらない。また、うさんくさいからといって何も真実が含まれていないとも限らない。
たとえば、噂の発信源では実物を見たものの……発信者に技術的な知識が足りないとか、そもそもオツムが足りないとか、Macの知識が少ないといった理由により、あるいは自己保身(発信源を特定されたくない)のために、ジャスト真実を「噂」として流さない可能性が高い。
実際、先日出た新型のMacBook登場前に……「新しいMacBookではタッチパッドがサブスクリーンになっている」とかいうバカな噂があった。検証して間違いであることはすぐに判断できたが、タッチパッドがグラス(ガラス)で出来ているという意味では正しかった。噂の発信源は、それが新しいMacBookの部品であること、タッチパッドに使われることまでは分ったものの、頭が悪かったので「ガラス=サブディスプレイ」と短絡的に考えたのか、あるいは発信源を特定されないためにちょっとねじまげたのかもしれない。
とにかく、「サブディスプレイ搭載」といわれれば「バカ」な話だが、「タッチパッドがガラスでできている」というメッセージととらえれば、100%正しい情報だったわけだ。
さらに、世間を騒がせて喜ぶために「ウソ」を流す人物がいてもおかしくはない。とんでもない話だが、世間の関心を煽るためにAppleのインサイダー(それも、かなりの上位者)が間接的ないしは直接的に「噂」を流していたとしても不思議には思わない。組織的にそれを行っていないという保証はどこにもないわけであるし。
アナリストが安易な予想を流して(廉価版iPhoneの件)全世界的に笑いものになったことがあったが、今回の「噂」では「小さい」とは言っているものの「安い」とは言っておらず、このあたりにみょーーなリアリティを感じさせてしまう。また、199ドル(だったか)の廉価版iPhoneを米国の量販店で売るとか売らないとかいった噂もあったが、これがiPod touchの下位機種だったとしたら、一笑に付する類いの話でもなくなってくる。
以上のことをふまえたうえで、今回のiPhone nanoという噂について吟味してみると、いくつかの可能性が考えられる。
(1)実は、一回り小さいiPod touchだったという説
Appleとしては、iPod touchのようなタッチスクリーンタイプのiPodを増やしたいという意図があったと仮定し、iPod touch量産型ともいうべきiPod touch miniをリリースする予定、という説。
(2)ジャストイコールiPhone nanoだったという説
iPhone nanoという、あまり安くはないけれど小さいモデルを出すという説。ただし、電池容量が減るし操作しづらくなるし……メリットよりもデメリットの方が多そう。Nintendo DSに対するDS Liteのような「薄型モデル」を上位機種として出す可能性については、考えられなくもないが……(iPhone 3Gが)フルモデルチェンジするようなタイミングではないので考えにくい。ただし、現行のiPhone 3Gのハードウェアに致命的な欠陥があってアップデートしなければならない(再設計しなおす必要がある)場合には、その可能性を否定しない。
(3)完全にガセ
これも50〜80%ぐらいの可能性がある。まともに考えるとこういう結論になるが、完全に否定できない噂があることもまた事実である。
年始までに派生したいくつかの「噂」が出てくると思われるが、現段階では完全に様子見モードである。