ポメラに圧倒的に足りないもの

1986年製造の8Bit機による

日本語入力デモ

いささかおかしな話である。ポメラはキングジムが開発した、文字打ち/文章打ちの最低限の機能に絞り込んだメモ専用機のような存在である。それにあえて「足りない」と文句をつけること自体がそもそも間違っている。 

だが、実物を見て、さわっていじくってみて、「圧倒的に足りないもの」があると感じた。 

ヒラギノである。

つまり、美しいフォントとアンチエイリアス表示を行う表示システムがないと、「きったねーなー」とか「こんな貧しい環境で文章を作りたくないなぁ」と思ってしまうのである(ばばっちぃWindowsの画面で作業をさせられると、ポメラよりも貧しい気分になる)。 


自分が文章を打つ時には、Mac OS X上でヒラギノ明朝の18ポイントか24ポイントまでサイズを大きくして、エディタなどにどどどっと打ち込んでいく。さらに、文章をただエディタで打ち出すのではなく、マインドマップで全体の見通しやまとめを行ってから打つ。 

さらに、分らないことがあればDictionary.appで辞書を引いたりして、調べながら書く。 


大学生の頃は、たしかにポケットコンピュータで文章を書いていたし(ムービー参照)、この「ポメラ」ぐらいのものがあればずいぶんと使いこなしただろうと思う。 

だが、編集者やらライターを経験し、さまざまな資料を作りながら企画をすすめる立場だったり、プログラムを組むという立場だったりすると、とてもではないがこの「ポメラ」では力不足である。MacBookですら力不足で、結局17インチのMacBook Proを常時持ち歩いているほどだ。

ポメラで済む人にとってポメラは幸せなマシンなのだろう。ただ、ポメラはおろかそこいらのぱちょこんでは済まない人にとっては、とてつもなく不幸なマシンとなるだろう。もっとも、メーカー側でもそんなことは当然考えていて、逆にいろいろ騒がれるのが「意外」だと感じているにちがいない。

自分がポメラを買うことは絶対にない。断言できる。人にもおすすめはしないだろう。

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