先日のDEMOsaで、高校生の開発者がプレゼンターとして発表を行っていた。高校生だというのに、大人の集まりに首を突っ込んでくるとは、すごいというか末恐ろしいというべきなのか。自分が高校生のときにそんな大それたことができたかと考えると、とてもできねーというのが正直なところだ。実に、やろうと思って行動したことは大きく評価されるべきだろう。
ただ、MOSA自体がなかなかどういう場所なのか分らないだろうし(自分も、分るような分らないような……)、いきなり見ず知らずの人が入ってきて活躍する、という場ではないように思う。彼も、プレゼンの中でそのようなことを言っていたが…… まー、未成年に対して何らかの助言を与えるといっても、いまひとつ気が引けるというか、悪い大人が変な影響を与えちゃったらやだなーとか。やっぱ、いまは学校の勉強を頑張るのが筋なんじゃね? みたいな気はしないでもない。みんな、優しくスルーしていただけなのかもしれない。
干渉されるより放置してもらえるほうが有り難い……とは思えないか。自分だったらそう思うのだが……。
私も高校生の頃は……受験勉強の合間を見ては、マイコン同好会の部室で雑誌を読んだりゲームしていたり、深夜にプログラミングを行っていたりと……まあ、いろいろやっていたような気がする。「開発者」なんて大仰なものではないが、やたらと開発したがっていた。
学外のコンピュータ・サークル活動の存在を知ってはいたが、そこに参加するところまでは行かなかった。高校がスパルタ進学校だったため、受験勉強でむやみやたらと忙しかったからだ。お金もなかったし。
高校生の頃の自分にとって、コンピュータというのはお金がほとんどかからない趣味であり、自分の野望を注ぎ込む対象でもあった。なんとかして、自分もいろいろとプログラムを組めるようになりたい、と四六時中考えていた。
高校時代には、コンピュータ関連の雑誌をくまなく読み、書籍をあさり、古本屋でバックナンバーを探したり……という情報収集の活動が多かった。学校内にかなりのツワモノがゴロゴロしていたため、そうした連中と話をしているだけでもけっこう刺激になった。
ふと、自分の高校生の時代には……周りに刺激を与えてくれる連中がけっこういたことに気付く。倒すべき敵が多かった、というべきか。東京だと、ちょっとぐらいできる奴はウジャウジャいるが、地方だとなかなか「倒すべき敵(レベルが近い、お手頃な敵)」というものに出会えないものかもしれない。
彼は、高校生開発者というよりも、どちらかといえば「地方開発者」というジャンルに属する人なのかもしれない。だいたいは、大学で一気に実力を開花させた人が多いような気がするので、とりあえず大学に進学することを目標に据えるべきではなかろーか。あと、学校の勉強でも英語だけはのちのち武器になるので、真面目にやっておいたほうがいいと思う。もちろん、国語も。国語力はあって困るということは一切ない。
そういえば……Orkutで知り合った海外の開発者のうち、1人がなんと小学生だった。でも、ものすごく受け答えはしっかりしていたし、その様子は「開発者そのもの」であった。なんというか、よく教育されている印象を受けた。広い世の中を知っている、という雰囲気がした。
高校生の開発者の彼は、世の中の広さと狭さを感じられるよう、いろんなものを見て、聞いて、試していただきたい……と、かように思う次第である。