去年の年末にはバーコードリーダーが大活躍した。これまで、活躍の機会がなく伝家の宝刀よろしく引き出しの中で活躍の機会を待ち続けていたUSB接続のバーコードリーダー。もちろん、Macに接続して使うのである。バーコードリーダーといっても、システム側からは風変りなキーボードぐらいにしか見えない。とくにドライバも必要としない。
バーコードの印刷はフリーで出回っているCode 3 of 9のフォントを用い、数字とアルファベットのデータフィールドに対して、バーコードフォントを指定しておくだけである。Code 3 of 9であれば、データの前後にアスタリスク(*)をつけておくことさえ忘れなければ、とくにチェックサムをつけておく必要もなく……非常に低コストでバーコードの発行およびスキャニングシステムを構築できる。
■K's BarCodeFont
■バーコードフォント BC39
(1)アンケート集計
アンケートの集計をバーコードリーダーで迅速に行った。すべての設問の選択肢を個別に識別できるようにバーコードを作っておいたので、問1の選択肢2と問4の選択肢2は明確に区別される。これをテンキー入力で行ったのでは、それぞれ同じ「2」になってしまうところだ。いっぺんにデータ入力できるデータ量がキーボードよりもはるかに多いので、そこを活用しない手はない。
また、2回同じコードをスキャンすると入力をキャンセルするとか、回答者の識別コードをスキャンする前に回答の選択肢をスキャンするとエラーにするとか、そうした使い勝手を向上させるための仕組みも実装しておいた。
(2)バス乗車時の点呼
年末に職場でちょっとしたイベントを企画。これにバスに乗って出かけたのだが、迅速かつ確実に点呼を行うため、参加者に配布したしおりに個別のバーコードを貼り付けておいて、バス乗車時にこれをバーコードリーダーでスキャンして点呼を行うことにした。通勤時の電車の中でさくっとAppleScript Studioで作成。これには、(1)のプログラムのソースをほぼそのまま使い回せた。
バーコードスキャン用アプリケーションは半透明のフローティング・ウィンドウで作成しておいたので、バックグラウンドにいるFileMaker Proのデータベースの画面がそのまま見える。誰がまだ来ていないかを容易に知ることができ、ひじょうに有用性が高かった。
もちろん、イベント当日にしおりを忘れる人がいることは想定済みで、名前とバーコードを印刷したものを別途用意しておいた。
物流の世界では役目を終えつつある感のあるバーコードだが、もっと狭い範囲のデータを扱うのであれば、枯れた技術になっており信頼性も高くコストも安い。いいことづくめである。ただ、なかなか活躍の機会に恵まれていないことが残念である。