東京めたりっく通信、東條氏、そして山本義隆氏

J-CAST Newsで「ブロードバンド“闘争”東京めたりっく通信物語」という記事を連載している。

http://www.j-cast.com/2008/09/01025800.html


筆者は、数理技研 会長の東條氏。東條氏には、UBA(Unix Business Association)の設立記者発表会でお会いした覚えがある。名刺交換ぐらいはしたかもしれない。ただ、設立の発表会という枠の中だけの取材であったし、UBAがどういう活動を行っていたかについて、さほど認識があるわけではなかった。

それが、この記事を読むと……東京めたりっく通信(以下、TMC)設立前の技術試験にUBAの会員企業が活躍し、ドラマティックな出来事が起きていたんだなぁ……と、感慨深い。というか、しょせん編集者が記者発表会に行ったぐらいでは表層しか見えないもんなんだなーと、思った次第だ(さらに、自分は96年ごろには編集部を離れていたので、TMC設立前後の動きを知る立場にもなかった)。

そんな個人的な感慨とは関係なく、この記事は実に面白く書かれている。この「ブロードバンド“闘争”東京めたりっく通信物語」には元になる(同名の)同人誌があり、連載記事はJ-Cast Newsの編集部でこの本をもとに手を加えたものを掲載しているようだ(ただ、誤字脱字が異様に多いので、どの程度手を加えているかはひたすらに謎である)。

http://blog.valley.ne.jp/home/akira/index.php?blogid=326&archive=2008-9-4


この元の本にはもっと危ないことが山ほど書かれているとかで、関係者からは「死海文書」などと呼ばれているらしい(上記ページより)。J-Cast News上の連載はだいたい1日1本というペースで更新されており、まだ全体から見ると序の口。いっそ死海文書を販売してくれればいいのに、と思わないでもない(危なくて一般流通には乗せられないとは思うが)。

東條氏と数理技研の成り立ちについて興味が出てきたので、Web上で調べてみた。実にあっさり見つかる。

http://www.suri.co.jp/company/index.html


全共闘時代に大学をドロップアウトした理工系の学生を集め、科学技術計算のソフトウェアを開発する集団を作った……のが数理技研の前身の「情報数理研究所」という組織であったようだが、この中に東大全共闘議長を勤めた山本義隆氏という人物がいて……というくだりを読んで、俄然、山本義隆氏への関心がわいてきた。

調べものをしていると、どんどん、派生的に関心の連鎖が発生していくものだ。作業としてみれば散漫な方向に進んでいるのかもしれないが、逆に、このような「広がり」が思いもよらない発見につながったりする。

全共闘の議長などというと、血気盛んなボスの中のボス……的なイメージを抱きがちだが、Wikipediaなどで調べたかぎりでは、実情は違うようだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/山本義隆


いろいろ調べてみると、


■元全共闘議長の情熱

http://homepage2.nifty.com/ikariwoutae/starthp/subpage04.html


といった記事にも行き当たり、実に興味深く読んだ。そして、山本義隆氏の著作物がAmazonで紹介されているのだが……


http://www.amazon.co.jp/磁力と重力の発見〈1〉古代・中世-山本-義隆/dp/4622080311

http://www.amazon.co.jp/磁力と重力の発見〈2〉ルネサンス-山本-義隆/dp/462208032X/ref=pd_sim_b_1

http://www.amazon.co.jp/磁力と重力の発見〈3〉近代の始まり-山本-義隆/dp/4622080338/ref=pd_sim_b_1

http://www.amazon.co.jp/一六世紀文化革命-1-山本-義隆/dp/4622072866/ref=cm_cr_pr_sims_t

http://www.amazon.co.jp/一六世紀文化革命-2-山本-義隆/dp/4622072874/ref=pd_bxgy_b_img_b


絶賛の嵐である。Amazonでこんなに絶賛の嵐状態になっている書評を見たことがない(汗)。こりゃ、すぐにでも買って読まないと……と、思わせるだけの何かがある。

すっかり脱線してしまったが、東條氏の文章や山本氏の著作などに脈々と流れる「力」に、しばし圧倒されてしまった。

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