メールのフローを可視化するために、目下Mindjet MindManagerを使っている。 Mac用のマインドマップソフトで何かおすすめは、と聞かれたらコレしかすすめないだろう。
さて……こんにち、仕事のメールは大量に飛び交っているが、あまりにも量が増えすぎて、多くの人にとってメールを見るのは苦痛な作業になっている。とくに、日本人は同じSubjectで違う話題や派生した話題を続けたりするもんだから、ぐちゃぐちゃでわけがわからなくなったりする。これは、非常に不幸な話だ。
そこで、きわめて重要な話題については、メールの流れをマインドマップ上に整理し、膨大なメールの流れをツリー状の図にすることで「これは雑談のブランチだから気にしなくていい」「ここがメインの話題だから読んでおこう」「この話をおかしくしたのはこいつか!」などとメールフロー全体を俯瞰して、余裕をもってメールを「眺める」ことをたびたび行ってきた。
ただ、このメールフロー図を作るのは手作業であり、わざわざ1時間ぐらい不毛な作業を強いられていた。
たまにしか行っていなかった作業なので、ながらく自動化していなかったのだが、ふと気が向いたときに自動化してみた。
AppleScriptでメールフローを解析して、MindManagerに命令してマインドマップでメールフロー図を作成するプログラムだ(愛称:めるふろ)。作ってみたところ、ひっじょーに有用性が高かったので、少々手間はかかったが、それ相応の……いや、それ以上の成果を得られていると感じている。もともとは、手作業で1時間ぐらいかっていたのが、ほぼ数秒で生成できるようになったので、楽チンである。瞬殺といってよいだろう。
AppleScriptのプログラム自体の構造解析も行って、マインドマップ上に関係図を描画するAppleScriptなども作ってみた。でかいプログラムを作ってしまって、手に負えなくなった時とか、昔作った巨大なAppleScriptのプログラムの構造を分析する際に用いている。
そんなわけで、MindManagerについてはマインドマップ作成用ツールとしても活用しているが、データの可視化ツールとしても日々活用している。
ただ……いくら(前バージョンより2万円近く)安くなったとはいえ、それでもなお2万円するツールを皆に買えとすすめるのもナニである。つまり、自前のソリューションを広めるためにMindJet MindManagerを広めなくてはならないのでは、本末転倒である(このへん、ファイルメーカーPro上のソリューションにも似たジレンマがある)。
……以前に、こういう関係図で可視化するツールの存在を調べて知っていたのだが、あまりに長らく登場の機会がなかったので、忘れてしまっていた。ただ、「なんかあったはずなんだけど〜」と、記憶の隅には残っていた。
それが、GraphVizである。
AT&Tが開発したオープンソースのデータ可視化ツールであり、Macユーザー的にはOmniGraffleの描画エンジンとして使われていることでも有名だ。
たとえば、メールフローのビジュアル化ツールを(本気で)作ろうと考えた場合、dotと呼ばれる関係記述の言語(超簡単)のテキストデータを作成し、GraphVizのビューワーでオープンするなり、何らかの画像データにレンダリングさせてしまえば、あとはふつーに画像ビューワーで見られる。
やったことはないが……もし、リンクを埋め込めるものであれば、PDFに書き出して、メールの本文についてはWeb上に置かれている過去のアーカイブへのリンクを行うなり、ローカルのメールへのリンクを行うなどして、メールフローの関係図とメール本文とのリンクを行うことも可能だ(SVGなら可能だ、とdot言語のマニュアルに書いてあった)。
もともと、GraphVizはOS非依存のエンジンではあるものの、UNIX系のツールの気配がプンプンしており、Mac OS X版はかなりいい出来である一方で(これは、Mac版のネイティブアプリを誰か別の人が作ったからか?)、Windows版のビューワーがボロボロである(目も当てられないほどに)。へっぽこレベルである。
正直、まだサンプルデータをWidnows上でブラウズできていない。……プラットフォーム非依存の共通データとして扱ってみたかったのだが、結局Mac側で何かのイメージにレンダリングしておかないといけないだろうか。
…………あれ? MindJet MindManagerよりもはるかにOmniGraffleの普及率が高いんだから、OmniGraffle上に関係図を描画するAppleScriptを作ればいいんじゃないか?(汗)