Webサーバーに負荷が集中すると、閲覧が困難になってしまう。これを避けるために生まれたのが、コンテンツ分散配信システム。今日ではコンテンツデリバリーサービスなどと呼ばれていたりするものだ。
このコンテンツデリバリーサービスで圧倒的に強いのが、Akamaiだ。Akamaiが世界各地に持つサーバーは数10Gbpsの高速なネットワークで相互接続されており、ユーザーからのリクエストを受け付けると最も適切なサーバー(負荷を均等に分散するとか、ネットワーク的に近い場所にあるものを選択するのだろう)を自動選択するようになっている。
有名なところでは、Steve Jobsのキーノートスピーチの配信をリアルタイムで行っていたころにAkamaiを利用していた。もともと、Akamaiはムービー配信などを念頭に作られたサービスといわれ、非常に納得できる話である。ただ、コストはそれなりにかかる。Keynoteスピーチのリアルタイム配信を最近行わないのは、Akamai料金がかさんだためとも噂されている(真偽のほどは定かではない)。
Apple.comとひとことにいっても、いくつものサーバーに分散されているため、おそらくサーバーごとにアカマイズ(Akamaiを利用して負荷分散すること)されているのだろう。ただ、Akamaiへの重度の依存はコスト高を招き、むしろ自社のサーバーの回線を増強する方向へと進んできたことだろう(日本のアップルのWebサーバーが米国本社に統合された動きの延長線上で。ただし、ファイル単位でもアカマイズできるようなので、このあたりの話は疑問を持ちつつ書いている)。
実は先日、iPhoneの発売直前に奇妙な現象に直面していた。
www.apple.comへのpingが通らなくなってしまったのだ。これには困らされた。AppleScriptのプログラムでネットワークの接続確認を行うさいに、www.apple.comにpingを打つようにプログラムしていたからだ。
かなり悩まされたが、一定の時期が過ぎたら直ってしまった。ちょうどiPhoneの発売が過ぎてちょっと過ぎた頃だ。
その他、さまざまな状況から、ここに1つの仮説を立てた。新製品発表にともなうネットワークトラフィックを分散するためにAppleはいまでも期間限定でAkamaiを利用しており、その状態ではpingが通らないのではないか? と。
そして、図らずしも……今日Apple.comにpingを打ってみたら反応がない。
maroMacBook:~ ping -c 1 www.apple.com
「ping apple.com」と打っても反応するのだが、「-c」オプションを付けてやると反応がない。そして、コマンドラインから実行すると……
maroMacBook:~ maro$ ping -c 1 www.apple.com
PING www.apple.com.akadns.net (17.149.160.10): 56 data bytes
Akamaiを利用中であることが明らかになった。
これをもって、Appleの新製品発表が間近に迫っていることの裏付けと見た。
おそらく、Akamaiの最小契約期間が「日」ではないため、いまアカマイズされているから必ずすぐに新製品発表が行われるというわけではないだろう。ただ、8/7(米国時間)に新製品発表が行われる、との観測の裏付けにはなるものと考えている。
その頃、ちょうど日本は8/8。私の誕生日である。Appleは私の誕生日プレゼントに(おい、、)何を発表してくれるというのだろうか?
後日談:その後、友人たちとの意見交換でさまざまな追加の情報が集まった。肯定的な情報もあれば、否定的な情報もあった。自分としてもこれがズバリ真実だ、とは思わない。ただ、目で見て実際に確認できる材料を組み立てていった結果としてこのような仮説に思い当たった次第。