今回のAppleの発表の中で、個人的に一番注目しているのがStarbucksで流している曲を、Starbucks店頭のWiFiサービスを使って購入できるというものだ。
Starbucksの店頭でWiFiネットワークサービスを行っているという話は聞いたことがある。だが、記憶が定かではない。
携帯電話会社(T-Mobile)がサービスしていたとかいないとか。とにかく、USに行って経験していないので確認のしようがない。
一般の飲食店でこれと同様のサービスができるかどうかということには疑問がつく。Starbucksほどの規模と全国ネットワークを持っていてはじめてビジネス上の「話し合い」ができるレベルになることだろう。
そうした前提条件はおさえておいたうえで、店頭でのWiFiサービスにまつわる問題を解決できそうな糸口を見いだした。
店頭でWiFiサービスを提供してくれ、とお客は言うけれども、WiFiサービスを行ったところでそれほど客が増えるわけでもなし、客が増えたところでコンピュータを持ち込んで居座る客であれば、回転率が落ちる。
回転率が落ちるということは、すなわち新規顧客の獲得という観点でいえばマイナスである。長時間居座る客にしてみれば、何杯もコーヒーのおかわりをしているんだから、いいじゃないかと言いたいところだろうが、その客が1人でテーブルを独占している間、もしその彼ないし彼女がいなければ、ほかの客が何人もそこに座れたかもしれない。
お客からはWiFiぐらいないの? と言われるわ、入れれば入れたで長居されるわで、飲食店にとってWiFiはあんまりいいことがなかったのではないかと思う(たぶん、実際に数字でデータを持っているわけではない)。
だけれど、WiFiネットワーク上でその店が、店頭でなければ買えないアイテムを売ることができるとしたら…………それはなかなかハッピーなことなのではなかろうか。そして、それが実現された希有の例がこのスターバックス店頭のiTunes WiFiサービスなのではないだろうか。