ハトが歩いている姿は、ひどく物悲しい。頭をひたすら前後にシェイクして歩くのである。おそらく、バランスをとるために頭をシェイクして歩くのだろうが、その姿には知性の片鱗も感じられない。
これが、カラスになると、それほど長距離を歩くようなことはないし、必要に応じてジャンプしたりもする。歩く場合にもハトのように頭をシェイクすることもない。奴らは、我々が思っているよりも遥かに賢い生き物なのかもしれない。
さらに、ほ乳類の動物になると実に歩行がスムースである。ゾウの身のこなしなど、障害物があろうがなんだろうが実になめらかである。頭を揺らさずに歩くようになればなるほど、賢い動物のような気がしてきた。
……で、人間(汗)
通勤時などにじっと人間の群れが歩いているのを見ると、頭を揺らしまくっている。実に頭が上に下にと忙しくシェイクされているではないか!!!
人間の目には正面を向いても30度ぐらいしか視野がなく、ほかの部分は脳内で補完しているらしい。さらに、実際のところ網膜には30万画素ぐらいの荒〜い分解能しかないために、脳内で補正しまくっているという話だ。とすれば、頭をシェイクするだけで、余計な演算が発生し、本来知的生産活動に使われるはずだったエネルギーが無駄に消耗してしまうのではなかろうか。
頭を揺らして歩くのが「賢くない動物」のスタイルであるとするならば、人間の歩行スタイルは実に「賢くない動物」のソレそのものであり……そのことに疑問を持った私は、極力頭を揺らさないように歩行するよう気をつけてきた。
……脳みそ関連の話は最近読んだ本から借りてきた話であり、マラソンの時に頭を揺らさないで走ると消耗が少なかったので、歩行もかくあるべし! と考えてそのよーに歩くようにしだしたのだ。本当の話である。
時は流れて、奥方様と駅で待ち合わせをしていたときのこと。
自分:どーして、君は私が近づくのを敏感にキャッチするんだい?
奥方様:だって、目立つんだよ君は。すーーーーって近寄ってくるから、ものすごく目立つ。どこにいてもわかるぞ!
…………私の歩いている姿はへんてこに見えるらしい(汗) くそー、ハトなんかには負けないぞ!!!