高速富士山に最適なコーデックは?

突如として、Podcasting向けコンテンツとして復活することになった「高速富士山」。Podcastingの配信経験を積んでおくために、手っ取り早く仕立て上げられる人気コンテンツということで、昔のマシンから引っ張り出してきたのだ。

で、高速富士山。別に富士山が速いわけではなくて、実時間の数百倍の早回しで富士山のライブカメラ映像を再構成するので、雲が速く流れていくのである。

最初の頃はコーデック(ビデオの圧縮/展開プログラム)にSorenson 3を使っていたのだが、徐々に監視対象のライブカメラを増やしていったときに、HDD容量があっという間に逼迫。より容量の小さくなるコーデックに移行することを余儀なくされた(最後の頃はシネパックを使っていた気がする)。

ただ、当時もうすうす感じてはいたのだが、シネパックというコーデックはこのコンテンツにはあまり向いていない。雲の自然なグラデーションをシネパックではくっきり階調のメリハリをつけて描いてしまうのだ。これではいけない。

サードパーティから、標準のものよりも圧縮率が高くなるようなコーデックも提供されていることだろう。だが、OSの切り替わりの時やCPUの切り替わりの時にサードパーティのコーデックはそのまま継続して提供されるかどうかの保証がない。そのため、なるべく標準で含まれているものを利用したい。

そこで、まる1日富士山のライブカメラを監視させ、Mac OS X標準搭載の各種コーデックで実際の映像の圧縮を試みた。

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その1 Pixlet 20.3MB
実にキレイ。容量さえ考えなければこれがいい。ビデオ版のロスレス圧縮ともいえるだけに、1本が20Mバイト超。これではアクセスが集まった時にサーバーも耐え切れないだろう。だいたい5Mバイトぐらいが上限の目安だと思っている。

その2 MPEG4(512Kbps)1.6MB
かなりキレイ。速い動きにも追従しているし、雲のグラデーションも自然。だが、なぜかH.264などと比べると絵が暗く見える。暗いのはいただけない……。

その3 H.264 2.15MB
これもキレイ。だが、雲のグラデに不自然な点が見られる。

その4 H.263 4.5MB
暗くもなく、グラデーションが途切れることもなく、割と優秀な印象。

その5 シネパック 11MB
メリハリのついた映像にはなっていると思うのだが、グラデが苦しい。雲の自然な様子を表すには向いていないと言い切れる。サイズも大きい。

その6 Sorenson 3 7.9MB
圧縮してみたら7.9MB。絵も非常に見やすく明るく、破綻が少ない。Sorenson 3に戻すというのも手なのか…………。

iTunes経由でiPodへの転送実験を行ってみたら、H.264しか有効にならなかった。このセッティング(iPod向け書き出し)は固定なので、パラメータのいじくりようがないわけであるが、実際にiPodで再生させてみたところキレイに見えたのでいいことにしよう。

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