週明け、同僚とお昼休みにコンビニに買い物に行く途中で「はしか」の話になった。ニュースなどによれば現在大流行中の最先端の病気なのだという。
「実は、週末過ごしているうちに、腕にこんなブツブツが出来ているのを見つけたのだが……」
見せたところ、同僚のウスイさんの顔色が変わる。
「それ、はしかじゃないんですか? ほら、腕だけじゃなくて首筋にもできてるし。これ、ぜったいに”発症”してますって〜!!」
ウスイさんの「ハッショー!」の連呼を聞いて、前を歩いていた女性が露骨にイヤな顔をして、足速に去っていった。
こらこら、そんな眉間にしわを寄せて「ばっちいもの」を見るような目で他人を見てはいかんぞ。あ、また振り返りやがった。自意識過剰なわけではないが、これは絶対にオレを見ているに違いない!!!!!
しかし、そんなバカな。だいたい、月曜日でちょっと「今日は休みたい」ぐらいの怠け病なら今朝発症したばかりだが、とくにこれといった倦怠感もなく発熱、悪寒、呼吸困難やめまいなどの自覚症状も一切見られない。
とはいうものの、周囲に相談すると皆きまって薄気味悪そうに「病院行ったら?」というので、仕方なく職場の裏手にある病院に行ってみた。
医者:どこが悪いんだって?
自分:この腕にできたブツブツが、「はしか」なのではないかといわれまして。
(のどの奥をライトで照らし、聴診器で呼吸音を聞いて)
医者:こりゃ〜、虫さされだね。薬を出しておくので、食後に飲んでおきなさい。
自分:「はしか」ではない、と?
医者:うん
自分:そのひとことが欲しかったんですよ〜(泣)
……夕方に奥方様に「今日、病院に行ってきた」とコトの顛末を話したらバカ受けしていた。ちなみに、週末は奥方様と一緒に外をほっつき歩いていたのだが、民家の植え込みにガサガサと触れながら歩いていたのは自分だけだったのだ。