相手が何に困っているのか、電話だけでは分からない

先週、父親から電話があった。だいたいは、コンピュータを使っていて不明な点やらトラブルが起きたといった相談だ。オレはExcelのインストラクターじゃないぞ、などと思いつつも、「一般ユーザーがどーいった点で操作につまづくか」の実例(おぺれーしょんモルモッツ)として参考にしている。

だいたい、父親としては「どーゆー名前のアプリがどこにあるのかを覚えていられない」らしい。ユーザーはプリンタの設定を変更したいという目的は理解するものだが、そのためのプログラムが何で、それがどこにあるのかといった情報まではなかなか記憶にとどめないものだというのだ。

そんでもって、そういう設定を行うソフトをランチャーアプリケーションの「DragThing」に登録しておいても、DragThingのドックのどこに登録しておいたか、といった情報もあまり覚えていないようだ。きっちり整理しておいたのだが、忘れたと言われては形無しである。ちゃんと、ジャンルごとのタブなども作っておいたのだが……(ーー;;;

Mac OS X 10.4ならヘルプの機能が向上しているので「ヘルプでそういうキーワードを入れて検索してくれ」ぐらいで済むかもしれないが、このケースの場合にはそういうわけにもいかない。実家のeMacはMac OS X 10.3.9で動いているからだ。もう、次はLeopardに一足飛びにアップグレードするぐらいの勢いである(10.4.9でとどめておいたほうがハッピーな気もしないではない)。

話を戻す。急ぎの書類を印刷しなくてはならないという悲痛な訴えにより、実家に出動することになった。

なんでも電話で父親が言うには、「コンピュータが壊れた」とか。最悪の事態に備えて、Norton UtilityのCDをカバンに突っ込んで持っていくことになる。

実家で父親が使っているのは、書斎用のeMacと、リビング用のiBookの2台だ。リビングで母親と一緒に過ごしつつ、なにがしかの書き物をする場合にノートでないと困るらしい。とりあえず、ひととおり無線LAN経由でプリントアウトできるように設定しておいたのだが、「壊れた」とは何事であろうか?

実家についてみると、eMacに何も問題はない。気になることといえば、フラッシュメモリのリーダーがUSB端子についたままになっており、こいつを起動前に外したぐらいだ。経験上、あんまりこういうものを起動時につなげておくべきではない。トラブルの原因になりやすいからだ。

でもって、よくよく調べてみると……1FにあるFTTHのルーターに、私が接続したものではないイーサネットケーブルが接続されている。しかも、先には何もブラ下がっていない。

Google Earthを使うのに無線ではパフォーマンス不足ではないかと危惧した父親が、有線接続を試みたらしいのだが、無線で十分だったので使っていないとの話。

まーー、これをつないだりした時にケーブルを抜いたりしたのだろー。いろいろ抜き差しして、ケーブルをきちんと奥まで差し込んだりしてみた。

なんにも問題なく元通り。どこも「壊れて」などいなかったのだ。

ひとことに「壊れる」といっても、ハードウェアが壊れたりするのと、ソフトウェアが壊れるのと、ネットワークの調子が悪いとかいうのではまったく事情が異なる。そこらへんのどこが悪いのか自己診断ができるとよいのだが…………Nortonをかけだすと、さすがに1日でも終わらない(G4で非力な割にHDD容量が大きいので)。

ただ、不審な挙動は確認した。iBookがスリープから復帰した直後には、ネットワーク上の共有プリンタを見つけられない場合があるというものだ。そして、Bonjour上の共有プリンタを追加しようとしても見えない。ところが、Bonjour上のプリンタ検索をキャンセルすると、何事もなかったように「以前に登録しておいた共有プリンタ」が見えるようになっていた。

いまひとつ、古い(2代目の)AirMac BSを使用している点が問題になっていたりもするのだろーか。まーAppleとしてはすでにIEEE802.11nのステーションと11gのステーションぐらいしか眼中にないだろうから、問題の根本的な解決には至らないかもしれないが……

mixiのコミュニティのそこかしこで「初心者です。教えてください」といった、知性のカケラも感じられないようなトピックがぼっこぼこに立っているが、溺れている者は自分がどこで溺れているのか冷静に表現できないものなのかもしれない。

私が実家まで出向かなくて済むように……Leopardの「iChat経由でのリモートマシンのコントロール機能」にもんんんんのすごく期待している。

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