ついに来たAirMac Expressベースステーションの値下げ

Appleの無線LANステーション「AirPort」シリーズは、業界の先陣を切って製品化され、USでは無線LANステーションの代名詞にもなっている。

日本国内では、各種プロバイダが無線LANステーション機能つきのモデムを貸し出したり、国内メーカーの操作性に劣る製品であっても「出張設定サービス」などの物量にまかせた作戦を展開した結果、AppleのAirMacシリーズはUSほどの存在感を示すには至っていない。

プリンタやデジカメなどの製品であれば、サードパーティ製品を利用する方向で、独自のハードウェア(AirMac)の提供は行わなかっただろう。ただ、無線LANはAppleがリビングに進出するうえで「欠かせない」ピースであるがゆえに、自社提供にこだわってきた。

ルーセントテクノロジーの業務用ステーションをそのまま使用した初代AirMacベースステーション(銀色)。とりあえず製品化することを最優先したため、ルーティング機能などは提供されなかった。

2代目のベースステーション(白)では、ルーティング機能が搭載され、本来提供すべき製品レベルに達したはじめての製品といえる。ただし、同時に無線LAN対応ルーター製品が市場にあふれてきたため、コストパフォーマンス面で後手に回りはじめつつあった。

3代目ベースステーション(白)でIEEE802.11gに対応。外部アンテナ端子の搭載、複数ステーションで連携して電波到達エリアを拡大できる機能、USB端子を搭載してプリンタサーバーになれる機能など、画期的な機能を搭載するものの、市場での勝敗は決し、メルコが市場を制圧。

AirMac Expressベースステーションは、こうした製品ラインナップの手詰まり感を打開するために投入された「変化球」とも見られる。小型の持ち歩き可能なステーション。AirTunes機能により、iTunesの音声出力をストリーミングで外部のオーディオ機器に出力できるなど、後になってみればApple TVへの布石そのものであったともいえる。

このExpressベースステーションを見て、次はビデオ対応製品が出るに違いない……というのは登場当初から見えていたことであった(HDMI端子への対応など、その当時では予見し切れなかったこともあるが……)。Apple TVの登場は、予想よりもかなり「遅かった」と言えるぐらいだ。

そうした「通過点」としてのAirMac Expressの存在感は大きい。だが、製品そのものの完成度という意味では、かなり疑問が残る。

まず、802.11bのマシンを無線でつないでAirTunesを使用すると、帯域が足りずに音が途切れがちだった。802.11gのマシンをつないでも、それだけでクライアント側のCPUパワーが飽和してしまい、時期尚早との印象が強かった。

設定ソフトウェアの出来もいまひとつであり、やや製品化を急ぎすぎた「失敗作」というのがExpressベースステーションへの評価だ。値下げされた1万1,800円という値付けであれば「まあ、いいか」と思えるところだ。

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