6G iPodを予測する

5th Generation iPod(以下、5G iPod)では、ビデオ再生に対応することで……メディアプレーヤーの領域までiPodの可能性を広げ、同時に、ビデオコンテンツのネット流通を開始。ビデオ再生機能はiPodのオマケ程度のものではないことを宣言した。

では、9月ごろに出ると噂されている次世代の6G iPodではどのようなメッセージが込められているものだろうか(同時に、iPod nanoもリフレッシュされると噂されている)。

まず、「iPodとMacのラインナップの統合」というのが大きな流れであることは間違いない。カラー化にともない、Mac OS Xと共通のビジュアル要素を多く含むインタフェースが採用されるようになったし、iPhoneではOS Xそのものが搭載された。

現行の5G iPodにこの流れを適用すると、どのような製品に仕上がるだろうか。

「iPodへのOS Xの採用」……これはもはや既定路線のように思う。となれば、かなりの部分はiPhoneと共通のインタフェースが採用されることになるだろう。

CPUは……消費電力の問題から、Xscale(ARM)系が継続して使用されるものと見ている。将来的にはx86系のCPUが搭載され、Macとバイナリ互換になると考えているが、インテルの超省電力CPUの開発状況から見て、まだそのような段階にはないと判断した。一般に発表されているスケジュールから見ると、このような展開になるまでにはもう1年ぐらい、2008年の後半以降になるだろう。


周辺チップまで集積化されているPortal Player社製チップに比べれば、LPIAはまだまだiPodに組み込むには遠い道のりであることが見てとれる。ただし、PP5024は100MHz程度のクロックスピードなので、IntelのLPIAから比べると、だいたい10倍程度のクロックスピードのひらきがある。Intelが低クロックバージョンのメディアプレーヤー向けLPIAをナイショで作っていたらどうなるだろうか?


問題は、WiFiへのアクセス機能と、Bluetoothヘッドホンのサポートだ。これが悩ましい。

WiFiアクセス機能は……6G iPodには追加しないのではないかと考えている。あくまでも、母艦であるMacなりPCとシンクロしてコンテンツをコピーするスタイルをiPodの運用の大原則と考えると、WiFiアクセスはややそこから外れる機能だ。

Bluetoothヘッドホンは……独自仕様で高音質化し、高い信頼性が確保された場合には採用もありえるが、現状の規格の範囲内ではなさそうに思える。おJobs様は現行のBluetoothヘッドホンのレベルに満足しておらず、また使い続けていると音が途切れたりするといった信頼性の低さにも満足していないだろう。

iPhoneとの差別化を考えると、6G iPodはやや「高音質」メディアプレーヤーの方向に味付けを行う可能性が高いが、Bluetooth 2.0+EDRの規格内でそれを満たせるかどうかが問題だ。

少々投げやりだが、標準添付はワイヤードのヘッドホンで、サードパーティのBluetoothヘッドホンが使える……という対応でもよいのかもしれない。Bluetooth搭載を「オマケ程度」に考られれば、納得のいく話である。結局、実現するかどうかはコスト次第といったところだろうか。

結論。6G iPodは、iPhone - 電話機能 - WiFiアクセス - Bluetooth + Gameその他という製品。iPhoneゆずりのマルチタッチ・インタフェースを備える。OS Xベースの製品だがIntel CPUの搭載はない。あくまでも、メディアプレイヤーとしての使い勝手を重視した手堅い製品になることだろう。HDDの搭載は継続される。

iPod nanoは、画面が少し大きくなってムービー再生とゲームに対応。これにともない、筐体のサイズがふた回りぐらい大きくなるが、価格帯は以前と同様。インタフェースはクリックホイールが採用され、現行の5G iPodの薄型軽量タイプのプレイヤーといった位置づけになる。こちらも、WiFiやBluetoothの採用はない。従来どおりPixioのOSを採用。

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