これまで、遠距離通勤を行っていた時分には、通勤時間の長さと引き換えに「100%座れた」ので、「フルスペックの仕事ができるマシン」が有り難かった。そういう意味では、15インチのPowerBook G4はうってつけだった(モニタの付け根が壊れちゃったけど)。
ところが、転居して電車通勤の時間が30分以内になり、時間短縮とのトレードオフで座れるかどうかが定かでなくなった昨今、その間に行えるのは「作業」ではなく「単なる情報確認」ぐらいのものになった。
これまで、タブレットPCのたぐいにはまったく興味がなかったものだが、ライフスタイルの変化によってタブレットも「いいかも」と思えるようになってきた。
だが…………文字がおっそろしく小さいのは勘弁していただきたいのである。以前にVaioの小さいやつを使っている人に画面を見せてもらったことがあるが、とても使えたシロモノではなかった。視力は悪い方ではないのだが、毎日視力検査をさせられるようなモノは願い下げだ。
さらにWindowsマシンを使っていると、フォントがばばっちい(「汚い」の最上級的表現)ので半日も使っていると目が痛くなる。また、それだけの財力があればMacBookを買っていることだろう。
手持ちのデバイスで一番可搬性がある現役マシンはiPod Photoだ。これに文章を入れて読むことを試みた。
自分が書いた日記をまとめて放り込んで読んでみたのだが……まあ、無理をすれば読めなくもないといったレベルで、とうてい読んで「楽しめる」というものではなかった。文章を読もうとすると、バックライトを常時点灯させ、かつHDDに頻繁にアクセスするのでバッテリの消耗も著しい。
Voyagerの高品位テキストビューワーアプリケーション「T-Time」に画像としてテキストを書き出しiPodに転送する機能があり(レジストコードを購入した場合)、それによって幾分大きい文字で、文章を「画像として」閲覧することは可能である。……ただ、目的自体は果たせるものの、Mac側でいちいちレンダリングして転送するというのでは、手軽とはいいがたい。
いまさらPDAでもないし、携帯電話といっても自分のWX-310Kだとフォントも美しくはないし(FOMAの機種ならいいフォントを積んでいるものがあることは知っている)、どうしたものかと思っているところだ。
噂されているように、iPodの前面がすべてディスプレイになり、従来の倍ぐらいのLCDを搭載するようになるのであれば、テキストリーダーとして活躍するように思うのだが、あくまで「噂」である。
案外、「プリンタでシステム手帳の用紙に資料を印刷して、紙で文章を読む」というのが無難なのかもしれない。電子ペーパーもまだまだコスト低減できていないようであるし、現状ではこれしかない。