最速のMacPro Xeon 2.6GHz/Quadを試す

バカのひとつ覚えで、新機種が出るとAppleScriptの実行スピードテストを行っている。当然、Mac Proにも行ってみた。
Xeon 2.6GHzのQuadという構成だが、AppleScriptの処理系は複数のCPUコアに対応していない。このため、複数のCPUコアがあっても、本質的にはASの処理速度向上に寄与するものではない。

ただし、他のプログラムをコントロールして処理を実行するのが基本的なスタイルであるため、大量のCPUコアが存在していてもメリットはないが、複数のCPUコアが存在することには意義がある。

早速、1000万回のAppleScriptループテストを行ってみた。結果は1秒。もはや1000万回では負荷にすらなっていないらしい。1億回に変更して計測すると11秒。
Intel Core Duo 1.83GHzだと1000万回で2秒。だいたい倍の速度が出ていることになる。ちょっと前までG5 2.5GHz Quadのマシンで3、4秒とか言っていたレベルからさらに向上したわけで……Core Duoから比べても、おそらく速度の向上が感じられることだろう。

システムフォルダ中の全ファイルをリストアップするような重〜い処理をやらせてみたが、これは処理が重すぎるのと比較対象となる数値を持ち合わせていなかったため、これが速いのかどうだか不明だ。ちゃんと計測しておけばよかった。

AppleScriptによる日常的な処理で重いものといえば、Entourageのメール振り分けなどを行わせてみれば速度向上を実感できることだろう。EntourageがRosetta上で動作していても、MacBook上でG5並の速度を叩き出せている。これがMacProならさらに高速処理することを期待できるということだ。

そのほか、重い処理といえば……類似画像のピックアップ処理だろうか。ありもののフレームワークなどは一切使わずにAppleScriptでPhotoshopやファイルメーカーProなどをコントロールして類似画像のピックアップを行わせていたが、このぐらい重くて実践的なテストであればG5/2.5GHz Dualより実作業でどのぐらい速度向上が見込めるのか実感できることだろう。

雑誌やWeb媒体などでおっそろしく内容のないベンチマークを見かけるが、まったくもって参考にもならないので実際に試してみるほかない。

だが、Mac Proを実用的なコンフィグレーションで導入しようとすれば、3GHzでメモリ4Gバイトぐらいの増設を行いたいところだ。その結果、50万円以上の価格になってしまうわけで、映像分野などCPUパワーへの要求が潤沢にあってかつコストの回収が見込めるジャンルでないとちょっとペイしない感じがする。

ポータブル機がこれと同程度の水準にまで上がってきたら、いろいろと見えてくるものも変わることだろう。そこまで達するのにおよそ1年半〜2年程度と見積もっている。16Gバイトのメモリを搭載し、大規模データを処理するような分野のプログラムを開発するためのマシン、ということだろうか。

ASのような重い処理系を単独のCPUコアが専念できるという意味では、単独CPUコアより複数のCPUコアが存在することには意義がある。

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