クリエーター向けの仕事のマーケットプレイスというのは、ドットコムバブル全盛の頃によく耳にした。
「こういうお仕事があるんだけど、いついつまでに○○円で出来る人はいないか?」
という募集をオンラインで行うというものだ。Yahoo!オークションのお仕事版といえばよいのだろうか。
http://www.macfreelancer.com/
Mac系の開発お仕事のオンラインマーケットプレイスとして、macdeveloper.net(現、macfreelancer.com)が1週間ほど前にオープンした。macscripter.netを運営している連中(Late Night Software?)が行っていることは想像に難くない。
macscripter.netのBBSやら各種MLには、ほとんどの場合スキルも知識もない連中が質問ばかり飽きもせずに毎日投稿するわけで、答える側としても、
「タダで質問ばっかりしていないで、それをリサーチの仕事としてスキルのある人間に投げるべき」
という話に転換できたら実に素晴らしい。
……ただ、この手の企画は、仕事を受ける側(Developper)ばかりが増えて、マーケットプレイスに仕事を発注する(Buyer)側の人が少なくて、バランスが取れないで破綻することが多い。Developer側の人間は毎月なにがしかのお金を払って登録するわけで、Buyer側から仕事が降ってこなければ、ただ毎月一定の金額を取られるばかりである(仕事が大量にあるというエサを撒いて、何も仕事ができない低レベルの人間から登録料を巻き上げるというのがこのビジネスモデルのキモだったりする)。
事実、一度そのような企画に首を突っ込んで、えらい目に遭ったことがある。その上、さまざまなトラブルやら回りの人に迷惑をかけたやらのドタバタぶりであった。
なんというか……その失敗についてはとにかく自分たちの経験不足もあったろうし、反省すべき点は多々ある。
だが、「企画それ自体が間違っていた」という動かしようのない事実もまた存在しているのである。
だいたい……そんな、わざわざシチめんどくさいことを発注側の人間がするだろうか? そもそも、そこんとこうまく自分たちでも分析できていなかったりノウハウがなかったりするから自分たちの仕事を外注に出すんじゃなかろーか?
オンラインでのビジネスマッチング系の話でうまくいったものというのは、自分の知る範囲ではまったく聞かない。もし、うまく行っているものがあったとしても、直接見て知っていたりする人間関係をベースとしたものだろう。
ましてや…………ビジネスのやり方も考え方も何もかもが違うような場所を目指しているmacdeveloper.netが一定の成功をおさめられるものだろうか?
オープン直後は3件のお仕事の投稿があったが、現在残っているのは1件だけだ。
たとえば、ここにAppleが社内の仕事をこっそり定期的に出してきたりしたら、日々刮目して見るべし! といったところだが……目下のところ、毎月12ドルを払って登録するようなものでもないようだ。