一昔前に、「携帯電話にアダプターを接続するだけで無料IP電話を!」などという、うさんくさ〜い広告を見かけたことがあった。
見かけた、というよりもウチの妹が持っていて、親から「これ、本当?」と確認を受けたのだが…………「物理的に不可能なので詐欺間違いなし」として、まともに考えてはいけない旨返事をしておいた。
携帯電話の先にちょこっと取り付けるBox……まるでau電話機の一昔前のBluetoothアダプタか、はたまたコンビニで売ってる携帯電話用拡張バッテリーパックみたいな風体であった。
だいたい…………IP電話っていったって、そのためにはIP網に接続する必要があるわけで……その当時のアナログ携帯電話(どこものむーば)の帯域を考えたら、通信するっていったって9,600bpsが関の山であって……そこに音声信号を通したとしたら、おっそろしく狭いわけで……全二重通信だとしたら、上り下りの音声帯域はさらに狭くなるわけで……当時(4年ぐらい昔?)の携帯電話に搭載していたCPUの処理速度やらメモリの量やらを考えると、全然処理が追いつかないわけであって……
どーーー考えても無理なのだが(汗)
だいたい、IP網につなぐときに誰が費用を負担するんじゃ、ぼけ〜! かす〜! どあほー!!!
と、心の中で罵詈雑言を飛ばしたものであった。カタカナで罵詈雑言を表現すると迫力があるが、ひらがなで罵倒するとなぜかさほど刺さらない。痛くない。切迫感がない。
そんなうさんくさい話はさておき、では無料IP携帯電話なるものが実現できないのかと考えれば…………
不可能ではない。
とりあえず、きょうびどこでも見かける無線LAN。無線LANを利用すれば、どーにかこーにかなんとかなりそうな気がする。事業者は携帯IP電話の受付機能付きの無線LANステーションを「配る」のだ。そして、インターネットのプロバイダと組んで、携帯IP電話対応ステーションを導入すると費用が安くあがるというキャンペーンを展開する。
これは、誰もが勝手に無線LANにアクセスできるのではなく、専用のソフトを搭載した携帯IP電話機がアクセスしたときにのみ、無線LAN経由で通信を受け付けるというものである。また、通信内容を暗号化する機能もステーションに搭載しておいてもバチは当たらないだろう。
なんとなく、簡単にクラックされそうな危険を感じつつも、次に、携帯IP電話機をどーゆーものにするか、である。
一番簡単なのはノートパソコンで………アプリケーションを入れておけばなにがしかのIP電話のアプリケーションで音声通話ができるだろう。ただ、一般公衆回線からの通話を転送できるかどーかは保証のかぎりではない。
ノートパソコンでは、常時電源をオンにしておけないし、通話するときに広げなくてはならないなど、実運用レベルで考えれば「ちょっと無理」なので……パソコンの機能がついたスマートフォンのたぐいで、無線LANのインタフェースを持つものであれば、そーゆー運用は可能になることだろう。
……で、そのうえで普通の公衆回線との接続をどーするか、という問題(IP電話端末に電話番号を振って、一般回線との間で電話番号を指定して通話するという問題)があるわけだが…………これについては考えないことにしておく。収益が確保できれば、その中でなんとでもできる(逆をいえば、収益モデルを確立できなければそんなもん無理である)。
そして、この電話機の着メロはスポンサー企業のCMのアイキャッチなのだ。「ちょこれいとはー、めいじー」などというフレーズが流れる。そして通話しようとすると、その前に10秒ほどCMが流れ……それを聞いたあとに通話が始まるのだ。
…………ダメ?(^ー^;