「プロジェクト管理ソフト」に欠けているもの

プロジェクト管理ソフトをいくつか使用してみたが、どれもこれもイマイチなのはなぜなんだろう。
自分が試したソフトは大きく分けて2つの方向性を持つグループに分けられた。

Aグループ 予定ワープロ系
ひたすらガントチャートをワープロライクに仕上げる清書ソフトのような存在。論理的には「?」な要求でも飲んでガントチャートに反映させる、ビジュアル化が目的。FastTrackScheduleとか、iTaskとかOmniPlanやらMerlinなんかもこっちのグループだろう。

Bグループ カジュアル系
PIM的な要素をミックスさせたりして、「タスク」と呼ぶよりはもう少しスケールの小さい仕事(SOHO系ジョブ?)をこなすための存在。たくさんありすぎてリストアップし切れない(その割にHDD内に残っていないところを見ると、役に立たなかったのだろう)。

…………どちらにしても、まあリソースあたりの人件費とかレンタル機材だったらその費用などを計上しておけば、使用時間を積み上げてコストの計算をしてくれたりするのだが…………そもそもこの手のソフトが大規模な建築・土木工事などのプロジェクト向きに作られているためか、ソフトの開発現場などでは「このプロジェクト管理ソフトを使ったから仕事がうまく行きました!」的な存在にはなり切れていないように感じられる。
近い例を挙げるとしたら、「文字や絵は自由に貼り込めるんだけど禁則処理してくれないDTPソフト」とか、「スペルチェックや校正機能のないワープロ」といったところか。なんか、「全然現場で揉まれていない存在」に見えるのだ。
一言でいえば「お勉強のできるバカ」みたいなソフトであり、能書きだけで現場でまるで役に立たない。
こう、実際の仕事の知恵というか、ああ、実際に仕事をしている人が作ったんだなぁ的な「何か」がまるっきり感じられないのだ。
では、どーゆーソフトだったら役立つというのだろう。

一度ざっくり立案してからディテールを詰めていくスタイルを
実にこれが……どのソフトも陥っているポイントなのだが、初期立案段階では「だいたいこのぐらいのタスクがあって」「このぐらいの期間で……」ぐらいの「ざっくり感」で操作できないと辛い。いきなりのっけから「11月10日の午後4:15分まで」みたいな緻密な数字を見せられるとゲッソリしてしまう。
初期立案段階においては、アウトラインプロセッサ的なインタフェースでもってざっくり「どんなことをやりたいか」「そのためには何をやる必要があるか」「どのぐらいの人間が必要か」などと、細かいことを考えずに構想を立てたいものである。
いろんなソフトを作るにしても、試したことのないジャンルだと一体どの程度の難易度なのか、ある程度試してみないと見えてこない部分もある。厳密な見切りはかなり困難を極めると言えるだろう(ある程度、未知の困難にブチ当たるリスクを覚悟して、リスク回避のための時間を盛り込んでおくのが常套手段だ)。

メンバーの能力や向き不向きを管理
メンバーの能力分析ができるとなおよい。肉体労働でものすごく超人的な働きを見せる人がいたとして、通常人の何倍程度の働きが可能だろうか? 肉体労働換算なら、だいたい3人分ぐらいが限界ではなかろうか。そのクラスの人間はきっとバケモノだ。
ところが、プログラミングにおいてはトップレベルにできる人間と通常の人間の差は……少なく見積もっても100倍ぐらいは開いていると思う。しかも、その人ごとに「向き・不向き」がより顕著に現れると思うのだ。
ひたすらロジックをコードに落としていく作業がうまい人、全体の設計を行うのがうまい人、バグの箇所を見つけ出して修正するのがうまい人…………まさに人それぞれだと思うのだが、いかがなものだろうか?
そうした傾向を数値化……しろとまでは言わないが、過去の仕事の実績や傾向を同時に閲覧できると何かが見えてくるのではないだろうか。一緒に長く仕事をした間柄であればツーカーで伝わる部分もあるかもしれないが、なかなか難しい話ではある。

ぜひ「自分一人プロジェクト」の管理に
いろいろ文句は言ってみたが、やはり「ここぞ!」という時にプロジェクト管理ソフトの出番になる。

それはどーゆーケースかといえば、プロジェクトに携わるのが基本的に「自分1人」で、かつ「1か月程度の実施期間」があり、さらに「同時に何本か仕事を抱えてしまった」ようなケースなのだ。つまり、修羅場というヤツである。
もーー、こうなると上司と一緒にガントチャートを引きつつあーでもないこーでもない、と最適コースを検討することになる。そういう時期に出す見積もりは、ちょっぴり辛目になりがちだ。

他人の実力はよ〜く分かるのだが、自分の実力を客観的かつ定量的に把握できるかといえば……それが一番難しい。そんなことができたら苦労はしない。自分を信じず、自分に甘えず、かといっていじめすぎない…………そんなさじ加減を計ってくれる機能がプロジェクト管理ソフトにあったらよいのだが…………最後は「根性」で進めるしかないというのが今日的なプロジェクト管理ソフトの限界というヤツなんだろう。

たぶん…………プロジェクトの「定石」みたいな経験則とか、自己分析のための脳波測定装置(IBVAみたいなやつ?)も必要となるにちがいない。
http://www.kuwatec.co.jp/Products/ibva/

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