奥方様の勤務している会社は、まがりなりにもコンピュータを作っているメーカーの系列の会社である。
にもかかわらず、社内のネットワークインフラは皆無、電子メールではなくFAXおよび物理的な「紙」の資料が飛び交う世界である。それも、ごていねいにワープロでキレイに書いた資料が「紙」で配布されるのである。
奥方様は、複数の施設をまたにかけ、ほうぼうの会議に顔を出すので常時資料を大量に持ち歩かざるを得ず、背中に背負ったリュックサックは殺人的な重量になっている(そのうえ、15インチのMacBook Proを持ち運んでいるのだ)。
自分がそんな重量物を毎日持ち運んでいたら具合い悪くなってしまいそうだ。さすがの奥方様も、ギブアップ。
自分:「ワープロのファイルをメールで送ってもらえないのか?」
奥方様:「ムリ……不可能」
かくして、紙の資料を読み取ってMacBook Proに入れて持ち歩けるように、ドキュメントスキャナを導入しようという話になった。
そこでいろいろ調べてみたわけであるが、富士通のドキュメントスキャナであれば、Mac OS X用のドライバも用意されているようだ。
http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/
一応、ダウンロードして中身を確認してみたのだが、まあ本当に「一応」動くというレベルのようだ。OCR機能などは提供されないので、別途なんとかしろということらしい(OCRソフトのIntel Mac対応はさっぱりなので、割と頭の痛いところだ)。
最悪の場合はBoot CampやParallelsでWindowsを起動して、その上で動かせばいいだろう、といったところだ。
そんなことを考えていると、奥方様が…………
「これ、2.7Kgあるんだね。持ち歩けるかなぁ……」
…………………………………は???????????
おい…………なぜ、スキャナを持ち歩こうとするのだ????(汗) それしたら、紙の資料をなくしても意味がないだろーがっっっっ!!!
私は、奥方様に「ドキュメントスキャナは家に置いておくんだよ」と説明。彼女も、日々おかしな人間たちに翻弄されて、何かが見えなくなりかけていたのだ。何かが…………。