三つ子の魂百まで

「三つ子の魂百まで」という諺がある。日常生活ではまったく使わないので、正確な意味は忘れてしまっていた。
問題:「三つ子の魂百まで」という諺の意味について、以下のうちから正しいものを1つ選べ。
A:三つ子で生まれた兄弟は、百歳になるまで仲がいい
B:三歳ごろの子供のころの好き嫌いとか癖なんかは、年をとってもかわらないもんだ
……正解はBである。

奥方様の同僚である「もっちゃん」が3つ子であることを聞いたのは数ヶ月前のこと。ウチも兄弟は多い方だが、同時に3人という世界は想像を絶する。自分と見た目がそっくりな人間が、ひとつ屋根の下に2人ばかり暮らしているという状況。自分だったら我慢できないことだろう。

奥方様と一緒に会ってお食事をするということになった。興味津々である。

「もっと怖い人だと思っていました」

……奥方様の日頃の広報活動のおかげで、自分はすっかり「言葉にやたらとうるさい『てにおは星人』」というイメージが(奥方様の近辺で)定着しているようだ。
そんなにうるさいのではなく、間違いは間違いとして認識してほしいと思うだけなのだが、それもいかんということなのだろうか(汗)。

楽しくお話をさせていただいたし、食事をしたメキシコ料理のお店もお気に入りの場所だったので、すっかりご満悦状態。

3つ子というと、先に出てきた順に姉(兄)→妹(弟)になるものだとばかり思っていたのだが、そうでないパターンもあるらしい。そのへんの決め方は病院によって違うのだそうだ。

先に出てきたのは後から仕込まれた(汗)妹で、一番最後に出てきたのが「姉」ということなのだそうな。病院ごとにこのへん解釈が違っていて、先に生まれたのが姉、というケースもあるようだ。

  「それってつまり、First-in&Last Outなわけ?」

FILO式のバッファリング、などという言葉が出かかったが、まさか双子や三つ子にそんな出生順決定規則が存在しているなどとは知らず、おおいに驚いた。

「えーっと、チョコボールの筒に最初に入ったのが姉ってことでOK? 先に出てきたのは妹というケースもある、と」

このたとえは分かりやすかったらしく、同意を得た。

3つ子といっても一卵性ではないようで、また、それぞれに個性がはっきりしていることがよく分かった。クローン人間みたいに、まるっきり同じ人間が3人というわけではないようだ。

なまじ似ているから、その性格の違いが逆に目立つというところか。その日に会ったのはもっちゃんシスターズ(仮称)の一番上のお姉さんともっちゃん(一番下)の二人だったのだが、真ん中のお姉さんはまたぜんぜん路線が違うそうで、実に興味深い。

また、10歳以上も年下の女の子たちとお話をするというのは、さすがに職場でもそれほどない経験だ。だいたい、話をする必要もなければ、それほど長時間話をするわけでもない。マシンと向かい合ってプログラムを組んでいたり考えごとをしていることがほとんどだ。

正直、会話が成立しないのではないかという懸念もあった。

ところが……そのへんをプラプラほっつき歩いている女の子たちのレベルから考えると、おっそろしくまともでちゃんとしているもっちゃんシスターズ。

逆に自分らのほうが「ちゃんとせなあかん(涙)」と思ってしまったほどだ。自分らに子供はいないが、何か親戚の子供の成長を見守りたいような気分になってしまった。

A:三つ子で生まれた兄弟は、百歳になるまで仲がいい

は正解ではないが、もっちゃんシスターズはこれから先もずっと仲良しなんだろう、と確信。実に得難い経験をした週末であった。

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