誰も知らないDocuWorks Viewer Light for Mac OS XのUniversal Binary化

奥方様がどこぞのWeb上から、料理の献立のデータを落としてきた。内容を見たいのだが、データ形式が特殊でまったく読めないとのことである。
DocuWorks?? 富士ゼロックスが提供しているペーパーレスオフィス実現のためのソフトらしい。そのフォーマットでWebに掲載されていたので、さっぱり表示できなかったのだ。

http://www.fujixerox.co.jp/soft/docuworks/viewer102.html
調べてみると、紙に印刷するかわりにDocuWorks文章にするとか、紙ベースの資料をスキャンしてDocuWorks文章にして蓄積、配布、再利用、参照などを行うソフトウェアらしい。

mixiにDocuWorksコミュニティもあるのだが、各投稿の文章表現が稚拙なうえに情緒的かつ主観的な情報ばかりで、客観的にその価値を推測することが著しく困難である。
っていうか、それ別にPDFでいいんじゃないのか? 当のDocuWorksも最近はPDFをサポートしたらしい。余計にPDFでいいんじゃないかという気がするのだが……。

複写機メーカーが発売しているあたり、コンピューターを使いこなせないデジタルディバイド(デバイド?)されたお年寄り向けに、コンピュータを意識させずに「コピー機」感覚で電子ファイリングが行えるようにするハードウェアおよびソフトウェアの統合ソリューションの「成れの果て」、という印象である(著しくPDFのほうがいい気がする)。

電子印鑑ソリューションが提供されているあたり、既存の会社組織の都合というヤツに合わせてムリをして複雑怪奇なソフトウェアを作ってみました的な香りもする。

富士ゼロックスのサイトを探してみたところ、お約束どおり、DocuWorksのMac OS X版は用意されていなかった。別段驚きもしなかったが、そのDocuWorks文章を閲覧するためのDocuWorks Viewer Lightというソフトが配布されており、なんとそいつが、

       Universal Binary対応だった

割と驚いた。やる気の度合いが旺盛なんだか微妙なんだか計測不能なほどいい加減なベクトルだ。本気ならMac OS X版のDocuWorksのソフトウェアを作って提供するところだろうが、それはやっていない。にもかかわらず、Viewer LightはUniversal Binary(Intel+PPC)対応なのだ。

Mac OS X版のビューワーについてはごくごく最近になって作ることにしたために、それが幸いしてCarbonではなくCocoaベースで作成し、さらに時期が時期だったのでCodeWorrior上ではなくXcode上で作成。そのため、比較的に手間をかけずにUniversal Binary対応を果たしたのではないか、などと富士ゼロックスの社内事情に思いをめぐらしてみた。富士ゼロックスの開発力に疑念を差し挟むものではないが、おそらくこいつは社外の外注に開発させたものなのだろう。

ファイリングソフトについてWeb上で情報を継続して検索してみたところ、よくまとまっているサイトを見つけた。

http://softfarm.net/info/ather/f_soft.html

読んでみると、やはりDocuWorksはレガシーな存在であり、やっぱり世間的にはPDFみたいな話が書かれていた。数年前からPDFベースでやりとりを行っているMac OS Xの世界からすると、今更感を強く感じるところだが、Windows上ではなぜかPDFが「重い」とか「でかい」などと毛嫌いされているような印象があるので、PDFよりもハンドリングが軽い(といわれる)DocuWorksのようなフォーマットにも存在意義はしばらくの間はあり続けるのだろう。

DocuWorksのようなクローズドな仕様のファイリングソフトウェアを見ると、その対極に位置すると思われるオープンな仕様のファイリングソフトの存在はないかと思いを馳せる。

        あった!!

DevonThink Proだ。ちょっと前から評価を行っているが、Web上の記事などではあまりにその本質を的確にとらえておらず、かつ情報量が少ないので「何に使うものなのか」という方向性がいまひとつ見えてこなかったのだが、DevonThink Proについては「とてつもなく使えるソフト」(に化けるソフト)の気配がしていたので、手の空いた時間にいじくっては首をひねっていたのだ。

だが、DevonThink Proがオープン環境下でのアプリケーションを超えた電子ファイリングを行うものである、と仮定するならばさまざまな疑問は解消する。なるほど、DevonThink Proの価値を再発見できたのはDocuWorksのおかげであり、ダウンロードするだけの価値はあったといえるのかもしれない。

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