Acrobat Distillerとの戦い

Acrobat DistillerをAppleScriptでコントロールしなくてはならなくなった。
以前に、バージョン6.0の頃に既存のPDFの上に広告コマを貼付けて合成するAcrobat用のAppleScriptなら書いたことはある。あのAppleScriptは、人知れずいまでもどこかで稼働していることだろう。

今回の任務は、Illustrator CSからPostScriptで書き出したファイルをDistillerでPDFに変換することにあった。

……所用時間15分。すぐに変換Scriptは完成した。それもそのはず、Distillerには3つぐらいしか命令がないので、そらまー「distill」コマンドだろーということがすぐに分かる仕組みになっているからだ。

distillコマンドにオプションを指定して、これで動くだろうとテストしてみると……………おかしい、動かない。

変態的なことに、Distillerに入力ファイルやら出力形式の設定ファイルやらを指定するさいにPOSIX形式で(/usr/local/binとか)指定しなくてはならないのだが…………Mac OS XのファイルシステムであるHFS+ではふつーに空白文字が入ったフォルダ名などが使われるため、POSIX pathに直したときにそのままでは不都合が出るケースがままある。

/Users/maro/Desktop/this is a pen ←こんなの

そこで、シングルクォートで囲ってあげる「quoted form of」という装飾子が用意されている。

'/Users/maro/Desktop/this is a pen' ←こんなかんじ

指先が勝手にquoted form ofをタイピングしてPOSIX pathにシングルクォート設定を付加したものだが……なんとこれが裏目に出ることになる。
quoted form ofを指定するとエラーが出てうまく動かないのだ。

AdobeのAppleScriptをよく知らないエンジニアが、こうした仕様をよく知らずに先回りしてアプリケーション内部でクォート付加処理まで行っているに違いない。そんな変なところに気を回さなくていいから、もーちょっとPhotoshopとかIllustratorとかInDesignとか………………全般的にAppleScriptのアホらしいバグをなくすようにしていただきたいものである。

まあそれでも、だんだん「アドビの開発陣のアホさ加減のレベル」がよく分かってきたので、「はいはい、quoted form ofを外せばいいのね」と気付き、すぐさま目的のAppleScriptを書くことができた。

初めて行う処理でも、海外のMLの過去ログを精密に自動仕分けしているため、過去の議論の中から解決策を見つけることができ、ひじょーーーーに役立った。やはり、この手のソフト開発は情報収集、分類、評価あるのみである。うむっ!

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