UNIXが嫌いだ、Terminalが嫌いだ、CLIが嫌いだとかいいながら、実際のこところ自分のPowerBook G4の上で、Terminal.appは常時立ち上がっている。FinderとTerminalの連携用AppleScriptを幾つか書いて、
・現在開いているTerminalと同じパスで新規Terminalを起動
・Finderで開いているパスをTerminalで開く
・TerminalのカレントパスをFinderで開く
といった機能を実現したので、割と使いやすくなっているということもある。また、Mac OS XのTerminalではFinderからファイルをドラッグ&ドロップするとTerminal上にパスがコピーされるので、これが使いやすいためにそれほどアレルギーを発症させないのかもしれない。
もともとSunOS 4.1.3の頃に「なんて使いにくいパソコンだ!」と思いつつSPARCstation IPXを使っていた(使わされていた)ので、Terminalを使ってファイルの操作を行うことぐらいはできるのだが、コマンドのオプションをすぐに忘れてしまうのである。最初のうちはOpenWindows上のファイル管理ソフトなども使っていたのだが、よく落ちるし大量の仕事をやらせると時間がもんのすごくかかったので、その環境ではGUIを極力使わないことが得策と心得た。結局、ターミナルばかり何枚も開いているという状態になる。
Mac OS XはUNIXだといっても、Terminalの常用を強制される環境ではない。Terminalの出番はピンポイントだ。ごくたまに使う程度なので、manコマンドを打ちつつ、「どーだったかなー」と調べながら使うため非効率的なことこのうえない。
そんなこんなで思うのである。なんでTerminalのユーザー支援機能はこの程度なんだろう、と。
最初からコマンドを全部覚えろとかいう世界なので、支援機能なんて方向に力を注ぐような人がいなかったのかもしれない。シェルにファイル名の入力補完機能があるが、あれが出てきてからはファイル名入力補完機能なしのシェルを使いたいと考える人は少なくなったことだろう(いるのか?)。
見た目は普通のTerminalでよいので、困ったときにドロワーなどでコマンドのオプションを選択するGUIを提供してくれないものだろうか。別にそんなのAppleScriptで簡単に組めそうだ。コマンドのオプションを記述しておくようなUIを、それこそ山のように用意しておかないといけないだろうか。
オプションの記述方法を定義したXMLでも用意しておいて、コマンドに応じてダイナミックにUIを用意したっていい。Webviewを使えばHTMLで表示して、その結果をコマンドラインにフィードバックするような真似も可能だ。
ただ、それが実際に現実のものになったとしても、日本語のmanページがあったほうが実は便利だったとか、そもそも全部GUIでアプリを作ってTerminalではない形のソフトにしてしまったほうがいいんじゃないか(Automatorみたいに)という説もある。
コマンドのオプションをGUIで選択できるとかいっても、実は数十もあるオプションをGUI表示すると、項目が多すぎて一覧をスクロールさせないと読み切れなくて大変とか……。ドキュメントを数10ページも表示する羽目になるとか……。
ああ、実際に出来上がった姿を思い浮かべると、どんどんコンセプトが音をたてて破綻している様子が目に見える。小手先の改良ではとてもダメということらしい。あるいは、Finder上でUNIXコマンドを使ってファイル処理を行えるようにスクリプトを作っておいたほうが、実は破綻しなくてよいのかもしれない。
解決策を提示するには至らなかったが、いつもTerminalについては「もう少しこれってなんとかなんないの?」と思っている。