そもそもの原案は厚振湖観光協会会長のN山さん(伏せ字になってないな、、)によるものだった。
ライブコンサートの会場などで、客席からステージにメッセージを送りたいという奇特なニーズを満たすためのプログラムのアイデアが出されたのだ。PowerBookやiBookを持ち込んで、AirMac経由で1台のマシンから他のマシンをコントロールし、電光掲示板よろしくメッセージを連続表示するというものである。
もし仮に、4人が並んで客席に座っていたとすると、4台のマシンのLCD上に連続したメッセージが表示されることになる。
物理的な位置の特定を自動的に検出する、というあたりで技術的な問題が出て(いや、そもそも原案では自動的に相対位置検出など行うつもりはなかったのかもしれない)、そもそも例によってAUGMの直前になって突貫工事で作ろうとして頓挫したのだった。
……そこからどんぶらこと時は流れ、このオクラ入りしていた企画が、突如として職場の世間話で復活する。
さらに話をスケールアップさせ、1台のマシンのLCDを1つのドットマトリックスとして扱い、文字やグラフィックスを表示させようというのである。
プロジェクト名も即座に決まった。「ソーラレイシステム」だ。ちょうど、縦横に並んだLCDモニタが昔なつかしの(?)ソーラレイシステムを思い起こさせるところに由来している。ああ、懐かしい。ゲル・ドルバ照準で一気に照射するのである(なんのことだか、、、)。
高精度位置検出はUWBでも使わないと行えないが、それはやがて時間が解決してくれるとして、無線LAN経由で電波の届く範囲内でしかコントロールできないだろう。IEEE802.11gでアドホックなネットワークを作成するとして、電波の到達範囲は25メートル程度、ブラ下げられるクライアントの総数は50台程度が使用限界だろうという話になった。
これはこれでちょっと困ったことだ。文字を表示させるためには、縦に8ドットは欲しいと思っていたのである。
8×5=40ドット。これだと1文字表示させるだけで精一杯だ。縦5ドット*横10ドットで、なんとか2文字。さらに、前述の電波到達限界はあくまで無線LANステーションを用いた場合の話であり、PowerBook/iBook自体をステーションにしたモードでは、確実にこれよりも電波到達距離が短くなることが予想される。
だいたい、こんな馬鹿なことに無線LANを利用しようとした人間などいないことだろう。そんな高密度のリモートプロシージャコールなどという無茶なことをやるための規格ではないのである。
だが、事前に表示データを送信しておき、各クライアントで表示するデータについては各クライアントで事前に計算、コントロールマシンからは何コマ目のデータを表示するという情報をただブロードキャストしてやればよいのではないだろうか。
高精度自動位置検出さえできれば、とくに問題はないように思える。そう、PowerBook/iBookユーザーを同時に50人集められれば……………。
まあ、最終的には携帯電話でコレができるようにするといったところだろうか。