情報整理の努力

自分が努力しているところは滅多に人には見せないのだが、明らかに時間と手間をかけていることがある。

それは、海外の技術系のMLのログ整理だ。これを、「収集」「分類」「評価」の3フェーズに分けて説明する。


まずは、「収集」。


とにかく情報は、手に入れなければ意味がない。MLの過去ログについてはWeb上で検索可能なことも多いが、そうしたサイトは使い勝手が悪かったり、応答性が悪かったり、当然のことながらオフライン時には利用できなかったりするわけで、やはり手元にログそのものが存在する必要がある。とりあえず、海外のMLで有用なものについては参加しておかなくてはならない。


念のために書いておくが、もちろん読むばかりでなく発言もしている。おかげで、国内のMLはまったく読み書きしていないが、それは有用な情報がないのと……日本語だとニュアンスが変に伝わりすぎて、不愉快な目に遭うことが多いからだ。失礼な質問に答える義理はないが、そういうメールが飛び交っている中にいるとだんだん腹が立ってくるのだ。精神衛生上よろしくない。


話を元に戻す。「収集」した情報は「分類」しておかなくてはならない。すべてデータベースに突っ込んでおいて、適宜フリーワードで検索を行うというきわめてまっとうな方法もあるわけだが……すでにデータ量が尋常でないのと、DB上だと気になるデータを思い出して探し出そうとしても、あとから検索状態を再現するのが難しいからだ。


検索状態の再現……というと正確な表現ではないかもしれない。個人的に、情報のありかというのは「場所」で覚えるタチなので、「場所」的な概念のないデータベース上では、有用な情報への再アクセスが逆に余計に困難であるように感じるのだ。


実作業としては、技術的なタームごとにサブフォルダを作り、Subjectだけでなくスレッドの意味をくみとって切り分けを行う。ただこれだけのことである。


このあたり、自動で行えるような気もしないではないのだが、本文内容やSubjectから自動振り分けすると具合がよろしくなかったり(質問と結論が違うところに落ち着く、とか)、すでにサブフォルダの数が尋常でないレベルに達しているので、プログラムを組んでもそれほど高速に処理できるかどうかは疑問だったりもする。


さらに、初心者質問やバカ質問については、この時点でふるい落とす。AppleScript系だとバカ質問は少ないが、初心者系の質問はさっさと捨てる。


最後が「評価」。


興味のあるトピックや有用なトピックについては、実際に同じことを試してみて、同じように行えるのか、それとも書き直す必要があるのか確認しておく。


後日使えそうなワザについては、ストックしておいて利用する。使える情報については、さらにカラーでラベリングを施し、あとから見ても分かりやすいようにしている。


本当に、当たり前といえば当たり前のことを、毎日コツコツやっているだけなのだが、こうして地道に積み上げた努力は、ある日突如としてトンでもないパワーを生み出すことが……よくある。


その効果については誰よりも認めるところではあるものの、やはりぼちぼち手作業は卒業したいような気もする(ウォッチするMLが増えてきたからだ)。


AppleScriptで記述しておいて夜間にcronで起動してバッチ処理するような格好になるだろうか。


自分が寝ている間に勝手に処理してくれていたりすると素敵である。ただ……かなりCPUに負荷がかかるので、手元にあるPowerBook G4/667(シリーズ中随一の騒音マシン)だとデスクトッップ機顔負けのファンの騒音がして、とても眠れたものではないだろう(涙)。

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