Macユーザーとしての進化過程

自分も最初は初心者ユーザーだった。どのような過程を通じて進化してきたのか、ちょっと振り返ってみよう。

・IIsi期
My First MacのMac IIsi。13インチモニタとの組み合わせが美しい。今でいえばiMacだ。やたらと磨いた。人に頼んでクロックを25MHzにアップ。CPUアクセラレータ載せて50MHz駆動。オンラインソフトを集めまくり、とくにフォント関連はしつこく探しまくった。思えば、「海外のソフトを探す癖」というのは、最初の頃からやっていたことなのだった。この時期から、職場にインターネット接続環境があったことが大きい(まだ、Junetといっていた。メールもuucp接続だった)。

拡張機能やコントロールパネルなどのソフトを入れるとOSが不安定になったため、さまざまな拡張書類の組み合わせで安定化できるか? といった、現在のMac OS Xの環境からは考えられない方向のノウハウがたまった。

HyperCardは面白いと思ったが、解説本がどれもこれも「絵本を作ろう!」といったトチ狂ったものばかりで、どういう言語仕様になっているとか、配列変数はどう扱うのかといった視点から書かれているものがなくて挫折。

使える言語:ポケコンのアセンブラ、BASIC
使用OS:漢字Talk 6.0.7、News OS、Sun OS、NeXTstep
よく使うソフト:PageMaker、ゲーム
メインマシン:Macintosh IIsi(68030/20MHz)

・Quadra 840AV〜PowerMac 8100期
さまざまなアプリケーションを使い、新しい分野にチャレンジしようとしていた時期。IIsiではQuickTimeを見ることすら大変だったが、このレベルのマシンではようやく「見る」ことに問題はなくなっていた。作るというと、かなり大変ではあったが……。アプリケーションも、だいたいは見れば使えるし、周辺機器の接続にも困ることはなくなった時期。Expoでやたらとゲームを買って遊んだ。チャットにハマって、朝方まで延々とチャットしていることもあった。オフ会に頻繁に出ていた時期でもある。雑誌は手当たり次第買っていた。

使える言語:なにそれ?
使用OS:漢字Talk 7.x、Windows 3.0、Sun OS
よく使うソフト:PageMaker、Photoshop、ゲーム
メインマシン:Macintosh Quadra 840AV(68040/40MHz)

・PowerMac 8500、PowerBook 2400期
ユーザーとしての能力が伸び始めた時期。AppleScriptを覚えたのもこの頃。AppleScriptに出会うまでは、インターネット上でチャットやら何やらひととおりやってMacに飽きてきたので、次はSGIのIndyかNeXTでも買おうかと思っていた(Indyに行かなくてよかった、、、)。MIDI音源で人が作ったデータを演奏させまくっていたのもこの時期。ゲームもやりまくっていたが、主にゲーム専用機でプレイするのであった。

やがて、1週間の勉強でAppleScriptをマスターし、他のプラットフォームにまったく魅力を感じなくなる。1か月ほどでファイルメーカーProをAppleScriptからコントロールしてHTMLを書き出しまくるなどのワザが使えるようになる。マシンパワーがどんどん必要になり、これらのマシンもPowerPC G3化されるのであった。

チャットはやっていたが、だんだん無意味に感じはじめる。とりとめのないバカ話ではなく、技術的な実のある話がしたくてUsers Groupに顔を出しはじめる。国内のMLに投稿しはじめたのはこの頃。今では考えられないほど人づきあいの範囲が広かった。雑誌もまあまあ購読していた。

使える言語:ファイルメーカーProスクリプト、AppleScript、REALbasic、Perl
使用OS:漢字Talk 8.5、Windows 95、Sun OS
よく使うソフト:ファイルメーカーPro、スクリプトエディタ
メインマシン:Power Macintosh 8500/150(PowerPC 604e/150MHz)

・PowerBook G3/400、PowerMac G4/350期
自動処理系をどんどん突き進み、またQuickTimeビデオの編集がやりやすいほどにマシンパワーが充実してきたので、いろんなバカムービーを作りはじめた。この時期から、マシンが部屋にどんどん増え、一時は12台ぐらいあった(しかもほとんど24時間運転)。

Newt Onを作りはじめたのがこの時期。また、人前で自分の作品を頻繁にデモするようになった。マシンが増えてきたので、だんだん古いマシンに愛着が涌かなくなる。新しくてハイパワーなマシンにしか魅力を感じなくなる。

チャットにはあまり顔を出さなくなる。MLへの投稿は随分活発に行っていたが、徐々に国内のMLでは得るものがないと感じはじめる。Users Groupもファイルメーカー系で閉じたコミュニティではなく、もう少し広いところに視点を置きたいと考えるようになり、複数のUGの寄り合い所帯で運営されるAUGMに出入りするようになる。

Jobsが戻って来たころからMac雑誌が極端につまらなくなり、購読しなくなる。だが、書籍は技術書を中心に買い込んでいた。はじめて本を書いたのもこの頃。

使える言語:AppleScript、ファイルメーカーProスクリプト、Perl、REALbasic
使用OS:Mac OS  9.x、Mac OS X、Linux
よく使うソフト:スクリプトエディタ、Adobe Premier
メインマシン:PowerBook G3/400(PowerPC G3/400MHz)

・PowerBook G4期
やがて、相方(現在の奥方様)の部屋に転がり込むなどの変遷を経て、大量にあったデスクトップ機を他人に渡すなどしてノートのみの構成になる(PowerMac G4/733はあるが、ほとんど通電されていない)。AppleScript Studio上でGUI系のアプリケーションを本格的に作りはじめた時期。セミナーの講師などもやるようになりはじめる。

ファンの騒音で寝られないといったこともなく、きわめて静かな部屋になっている。無線LANは常識となり、Ethernetの線が部屋をはいずりまわることもなくなった。ゲームはごくたまに、Mac上でパズル系のものをやる程度。しかし、たまにオンライン対戦ゲームなどをやると昔の血が騒いでしまう。

チャットは、限られた知り合いとの議論や連絡用に使うぐらいで、海外の開発者とチャットすることが多くなった。遊び主体のオフ会は一切お断りし、飲み会も気心知れた仲間でないと出席を断るようになる。国内のMLはほとんど購読すらせず、海外のMLにしか投稿しなくなった。

使える言語:AppleScript、AppleScript Studio、ファイルメーカーProスクリプト、(Perl)、(REALbasic)
使用OS:Mac OS X
よく使うソフト:スクリプトエディタ、Xcode、Interface Builder
メインマシン:PowerBook G4/867(PowerPC G4/867MHz)

だんだん頑固で偏屈になってきているような気が(汗) 人としてこれでいいんだろうか。どちらかといえば、これは歳をとってきたことが大きいのだろう。進化というより老化?(汗)

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