チャット友達のDigitalGuyと先日非常にディープなチャットをした。彼は大学で補助教員を行いつつオタクライフをアメリカの片田舎で送っているMacユーザーだ。
最近は、日本語でチャットをするよりも、英語でチャットする機会の方が圧倒的に多い。日本語だと意味が通じすぎて、失礼な言葉や何考えてんの? 的な文意にいちいち腹がたつのだが、英語だとそこまで感じなくて済む。
D:日本でこういうMac用ソフトがリリースされたみたいだけど、これっていいんじゃない?(多少日本語が読めるらしく、ヤツはこういうネタに強い)
M:それ? うーーん、それはCoolではなくてCheapかつChildishだな。「○○タン」とかいうネーミングには反吐が出る。個人的には好かないソフトだ。まがいものの腐臭がする。
D:そうかあ。あと、日本でこんなロボットを主人公にした映画が公開されるようなんだけど。
M:えーー? それこそ、低予算のまがいもの映画だよ。実にChildishだ。こないだウィル・スミス主演の「I, Robot」をDVDで観たが、こっちのほうが100万倍いいって。
(なぜか、彼は日本のアニメには詳しいのに、ハリウッド映画についてはめちゃめちゃ疎い)
その後、1970年代にあったトミーのポータブルゲーム(電池ではなく、ぜんまいで動くタイプのもの。すごく懐かしい)や、初期の電子ゲームの話、トミーのぴゅう太とほぼ同じコンフィグレーションの16ビット機がアメリカでもTandyから出ていたなど……非常にディープかつマニアな話で盛り上がった。
こうした「マニア勝負」では相手を感心させたり感銘させた方が「勝ち」だ。自己の価値観の正当性をプレゼンテーションし、相手を自分の意見に同調させ、ひたすらうらやましがらせるのである。
これまで、自分の方がつねに優位に「マニア勝負」を戦ってきたが、この日はDigital Guyがとんでもない必殺パンチを放ってきた。
D:Daisuke Yamashitaって人を知ってるか?
M:誰だそれ? 昔、ガンダムの映画の主題曲を山下大輔が歌っていたが……
D:これだよ、これ。
山下氏は、Mac OS Xに標準以外のスキンをかぶせるShapeShifter用に、非常に見目麗しいスキンを作っているスキン作家で、その作品のクールさとクオリティにはうならされた。ヤツは、山下氏の作品を以前からウォッチしており、日本人である私に「おめー、これ知ってるか?」とつきつけたのである。
M:(絶句)こ……これはめちゃめちゃクールだな。いい、よすぎる……。 げっ! ShapeSihfterってAPE(Application Enhancer)をシステムに入れるのか。以前、APEのおかげでシステムが飛ぶとか、さんざん悩まされたからちょっとなぁ……。
D:いや、今のバージョンは非常に安定しているよ。
M:重いんじゃない? Classic Mac OSのKaleido Scopeは重かったぞ。
D:いや、割と非力なウチのマシンでもスカスカ動いてるよ。
M:…………インストールしてくる。
D:Enjoyしてこい(笑)
「クールじゃねぇ!」と言ってたたみかけておきながら、最後の最高にクールなカウンターをくらってしまったのだった。