Xcodeに対する不満

Xcodeとは、元の名をProjectBuilder。InterfaceBuilderとセットで使用するMac OS X標準の統合開発環境だ。Objective-CやJavaと同様に、AppleScriptで開発が行える。これを一般的にAppleScript Studioと呼ぶ。

AppleScriptの記述用ソフトウェアとしては、Mac OS X添付のスクリプトエディタのほか、サードパーティ製の「ScriptDebugger」という製品がある。ScriptDebuggerはAppleScript用の統合開発環境であり、トレース機能やブレークポイント機能などに加え、スクリプトのライブラリ機能を備えている。

一度書いたスクリプトについては、メニューから呼び出して再利用が行えるという寸法だ。

ところが、Xcodeにはそのような機能はない。正確にいえば、Xcode上でAppleScriptを記述するAppleScript Studioの環境ではそのような機能は使えない。

この環境には、これまでに作りためたスクリプトをライブラリとして扱うための機能が欠けているということになる。だが、不満を言うだけではそれこそ何も進歩がない。自助努力によるものであれば、幾つか対処方法はある。

1つ目は、スクリプトをテキストファイルとして保存しておき、全文検索で適宜探し出すというもの。実行させる時に一度コンパイルする必要がある。

2つ目は、作りためたスクリプトをデータベースに格納し、検索を行いつつ利用するというもの。これは現在、部分的にではあるが実施している。

3つ目は、普段使うサブルーチンのたぐいを、すべて1つのファイルにまとめておき、本体側から適宜呼び出して実行するもの。ライブラリファイルを個別にバージョン管理したり新しいものがあれば差し替えたりもする。

3番目のものが一番スマートではある。だが、一体ライブラリに何が入っているだろうか、ということになったときに、内容を確認する手段がない。何が入っているのか、重複するルーチンは入っていないか、ライブラリとは別に情報を管理する必要が生じる。一見スマートに見えるが実は間抜け、ということになりかねない。

USのメーリングリストで3番目のものの変形版が紹介されていた。ライブラリとしてロードするが、ディレクトリ階層を直接指定して、単体のライブラリファイルを適宜ローディングするというものだ。

ライブラリにしてしまうと、その内容を確認することができない。開発中にその内容を確認したいと思っても、別に存在している元ファイルを参照するぐらいしか手段がない。やはりソースを直接見ることのできるものが望ましい。

ScriptDebuggerのライブラリ機能がそのままXcodeに載ったらよいのだが……などと考えつつも、ScriptDebuggerをXcodeの外部エディタとして指定する手もあるため、その方向で考えたらよいのだろうか、などと考えてみたりもする。

とにかく、Xcode単体ではAppleScriptの記述に使いやすいとはお世辞にも言えない。これをメーカーが認識しているかどうか、USの担当者を捕まえて一度確認してみたいものだ。

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