ワークログの自動記録

生涯において日記を付けようと決心したことは幾度かある。3日坊主という言葉があるが、だいたい自分は3か月坊主で、3か月目まではびっしりと何かに取り憑かれたように書きなぐり、1日2日と書けない日があれば、それまでに続けていた努力が水泡に帰したような気がしてノックダウン。

Web上で日記を付けていたこともあったが、行動が周囲にバレると不利益を被ることが多いため、これも厳に慎んでいる。

ここに書いているのは、正確には日記ではなくて、まさになぐり書きではあるのだが、自分がその時点で考えた内容をまとめているだけだ。ちゃんと結論らしきものが出るときがあれば、グダグダの時もある。きっと今日の内容は後者だろう。

長年続く日記の例を見たことがある。1日に書くことはあまり欲張らず、箇条書きで「何をしたか」を書いておくだけというものだ。欲張ってあれもこれも……と、書いてしまうと続かない。

その日に何をしたか、ワークログを残しておくことは重要である。日記というのはその程度でいいんだ、と割り切ると楽だが、
「だったら、その程度のことは勝手に記録しておいてほしい」とも考える。では、どうするか?

(1)定期的に写真を残しておく
仕事をしていることとコンピュータの前に座っていることは、ほぼイコールなので、コンピュータに取り付けてあるCCDカメラで1時間ごとに自分の様子を撮っておくというのは有効かもしれない。また、画面のスナップショットを撮っておいてもよい。

(2)定量的に判断できるデータを残す
メールx通、Webをxページ読んだ……HDDの空き容量の変化がxxxKバイト、などの定量的に判断できるデータを記録。

(3)GPSデータから移動を検出
Bluetooth接続のGPSを用いて、マシンがスリープから解除されるたびに現在座標を取得する。GPSでは電車の中で位置取得ができないようだが、それ以外では位置取得が行えるだろう。GPSレシーバ自体に移動履歴を記録できるようバッファ用メモリが入っているとよいのだが。

(4)キーストローク、マウスの移動量を記録
どの程度コンピュータを使って作業を行ったかという指標にはなるだろう。ただし、AppleScriptを使ってバッチ処理を行ったというのは(それがいかに有用であったとしても)評価外になる。

(5)CPUの負荷を記録
CPUのロードアベレージを定期的に計測し、一定レベルを下回る or 上回る時間の長さを記録。同様にネットワークやディスクのI/Oも記録の対象とする。

……これだけ記録しておいても、「この日はコンピュータを使いましたね」「使いませんでしたね」という程度の判断ができるにすぎない。役に立つのか、といえばあまり役に立たない雰囲気が濃厚である。

しかし、これがミクロのレベルではなくマクロのレベル……すなわち、個人の動向分析ではなく組織の動向分析に用いるとすればどうなるか。たぶん、この程度の計測や研究は必ず誰かがすでにやっているはずなので、研究結果を見てみたいところだ。

個人レベルでこれを行って……好調・不調の判断を客観的に行う指標にはなるかもしれない。季節ごとに活性の傾向が変わるとか。

では、こうしたログが日記の代わりになるかといえば、やはり、ならないだろう。行った内容を箇条書きにする、というのはなかなかコンピュータにはできない内容だ。

逆をいえば、コンピュータに処理できるように、この「箇条書き」を行えばよいということにもなる。音声で録音しておけば、再生して内容も理解できるし、それほど手間もかからない。

記録した音声ファイルに「これは、○○についての内容」とタグを付けておけば、あとでそのタグに該当するものだけを集めて再生する……というのは、有用だろう。マイクロソフトのOne NoteやOffice 2004 for MacのWordにこうした機能が搭載されているため、今年は音声メモ機能が注目される年になるかもしれない。

個人的には、アウトラインプロセッサと音声記録の相性がよいと思っている。スピーチや演説、セミナーの内容などの草稿を考えるのに向いていることだろう。

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