一般教養としての言語学

大学生の時に一般教養で受講した「言語学」。受講者も多く、当時は割と「こなす」だけの科目という認識だった。試験も、とりあえず授業に出ていればどうにかなるという種類のものであり、全身全霊を捧げるというものでもなかった。確か、試験に教科書持ち込みが許されているタイプのものであったように記憶している。

一般教養では、なぜか物理学だったか、当時盛り上がりを見せていた素粒子論について授業の範囲を超えて調べていたものだった。試験やレポートで評価されようがされまいが関係なく、知識欲を満たしたかったのだ。

なぜか大学卒業後10年を過ぎた今でも、言語学のテキスト「日本言語学要説」は自分の手元にある。まさか、後年に人工知能インタフェースなどというものに手を染め、日本語解析のためにこの本をふたたび手にしようなどとは、思いもしなかった(あまり参考にはならなかったが)。

久しぶりに読んでみて、入門者向けに丁寧に書いてあるものだと感心した。ただ、その当時に日本語要素解析プログラムが誰にでも入手しやすい形で配布されていたら、もっといろいろ面白いことができたのに、と残念に思う。

教科書を開くと、大学時代のいろいろな記憶がよみがえってくる。また、いま授業を受けて教授を質問攻めにするのも楽しいに違いない、などと考えてみるものの、どの学部、どの学科になるのだろうか?

自分は経済学部生ではあったが、よく工学部に出入りしてはいろいろ工学部の連中と話をしていたり、他の大学の工学部の連中とメールやプログラムをやりとりしていた……経済学部の連中と話をするよりも工学部の連中と話をするほうが楽しかったように思う。

大学では社会人向けの講座などもあるようだが、文学部の言語学講座と工学部の講座を受講する、といったことは可能なのだろうか。

Copyright By Piyomaru Software. All Rights Reserved