Bluetooth GPSは過渡期の商品か?

半年ほど前に海外でBluetooth GPSレシーバーなる製品を見つけた。3万円前後で、とても手が出ない状態だったので「もう少し値段がこなれないものか」と思っていた。

たまたま調べものをしてみたら、SONYがCLIE用にBluetooth GPSレシーバ「GU-BT1」を出していた。CLIE用といっているが、PowerBook/iBookでもつながるように見える。

http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/Acc/GU-BT1/


ノート用の周辺機器はすべからくBluetoothに対応し、カバンの中に放り込んだ状態で動作するとうれしい。

GPSユニットはコンピュータに内蔵されるのが正しい進化の方向だと思っているが、まだノートPCで「GPS内蔵」を銘打っているものはない。

携帯電話が(方式が違うにせよ)GPSを搭載しているため、「CLIE用GPSレシーバ」といった商品がどの程度売れるかははなはだ疑問である。携帯電話で地図を表示させたほうがはるかに手軽で安上がりだ。

じきに同じ製品がVAIO用としても登場するのではないか、などと思っている。

しかし、一向に値段は下がる気配がない。Bluetoothヘッドセットは、パソコンに先行して携帯電話用として普及したため、いい感じで価格が降りてきているのだが……。

測位のための手段は、別にGPS衛星の電波を直接拾うだけに限られたものではない。携帯電話は基地局の位置情報と複数の基地局の電波強度から測位している。同様に、手軽な手段で実現できないものか。

都心部であればひとつの可能性が転がっている。無線LANのアクセスポイントを携帯電話の基地局に見立てて、それぞれのアクセスポイントの電波強度から現在位置を計算するというものだ。

だが、基地局は2Dで存在しているわけではなく、本気で位置情報の取得を考えるならば、無線LANステーションごとに3Dの位置情報を持っていなければならないことになる。無線LANのブロードキャストパケットに緯度経度の情報も盛り込むようにしたら、実現できるのではないか……などと考えてはみたものの、やはりそれほど真面目に考えるべきアイデアではないのかもしれない。

ただ、街中に普遍的に存在しているモノが位置情報を発信していたらどうだろう? たとえば、電柱1本1本にRFIDのタグがついていて緯度経度の情報を拾えるとか、マンホールのフタにRFIDタグがついているとか。

端末だけのコストで考えると、こういうバラ撒き方式のほうが現実的だ。それこそ広告などにQRコードが印刷されていて位置情報が取得できる……などというとコストも低くてすみそうだが、一体どうしたものだろうか。


話が散らかりすぎたのでまとめてみよう。

Bluetooth GPSはコストを考えるととてもペイしない。よほどの好き者でないかぎり購入を検討したりはしないだろう。携帯電話の内蔵GPSにとても勝てない。

Bluetooth GPSの商品寿命が短命に終わるかどうかは、ひとえにPDA以外の製品との組み合わせが行えるかどうかにかかっている。だが、将来的にはさまざまな機器に内蔵される可能性もあり、まあ3年ぐらいは自慢して歩ける商品になるのではなかろうか。

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